「ヒトゲノム」・「クローン動物」・「遺伝子操作作物」・「遺伝子治療」などなど、遺伝学の知識なしには理解が難しい話題が毎日のように目につきます。正しい判断のための知識を、学生・学校の先生・ジャーナリスト、さらには科学の研究を始めた人々に提供しようというのがこの「遺伝学電子博物館」の目標です。
1953年、DNAの二重らせん構造が発見されました。そこには遺伝情報を正確に子孫に伝え、体のかたちを作り、生命活動を行う精巧な仕組みが秘められていました。近年様々な生物で活発に行われているゲノムプロジェクトについてもご紹介します。
昔から「子は親に似る」ということわざがあるように、親子、兄弟は何となく顔や姿が似ていることは疑う余地がありません。遺伝現象の研究が近代化学として成立したのは、オーストリアの修道院の牧師であったメンデルが重要な遺伝の法則を発見したことからはじまります。
今でこそ普段生活している中で、「遺伝子」や「DNA」といった言葉がよく聞かれるようになりましたが、遺伝学の研究が確立するまでには、多くの研究者の地味な努力がありました。ここでは、最初に遺伝の法則を発見したメンデルに始まり、貴重な発見をした「遺伝学の父」たちをご紹介します。
遺伝研のロゴ
シンボルマークは、細胞の減数第1分裂中期の分裂像を、今井弘民(いまい ひろたみ)博士(元国立遺伝学研究所)
が図案化したものです。「地球の歴史は地層に、生物の歴史は染色体に記されてある」(木原 均,1946)を表しています。