日本初の月面着陸機を3年後の2018(平成30)年度に打ち上げる計画が明らかになった。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、政府の宇宙政策委員会の小委員会などに、無人の月面探査機「SLIM(スリム)」計画を説明した。
小型ロケット「イプシロン」で、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられるスリムは、狙った場所に正確に降り立つピンポイント着陸の技術実証を目指すという。従来の探査機では1~数キロの着陸地点の誤差を、100メートル程度まで縮める計画だ。日本の宇宙技術の高さを世界に示してもらいたい。
無人機による月面着陸は1966(昭和41)年に旧ソ連と米国が成功し、2013年に中国も加わった。日本も探査機「はやぶさ」で小惑星への着陸(05年)と地球への帰還(10年)を成功させた実績を誇る。
月面着陸に成功するだけでは、それほどの新鮮味はない。だが、スリムが挑む着陸技術の高精度化は、今後の宇宙開発や惑星探査に不可欠な要素であり、その意義は非常に大きい。