Y Combinator が Stanford University で実施した「スタートアップの始め方 (How to Start a Startup)」講座の復習用&ガイド用ドキュメントです。
Paul Graham, Peter Thiel, Marc Andreessen 他、豪華講師陣による「スタートアップや事業との向き合い方」は、すべてのスタートアップ関係者の方々に聞いていただきたい内容になっています。
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Y Combinator & スタンフォード大学「スタートアップの始め方 (CS183B)」受講ガイド - Summary of How to Start a Startup 2014 Fall
1. Y Combinator と Stanford 大学による「スタートアップの始め方」受講ガイド
Summary of “How to Start a Startup”
Takaaki Umada, Microsoft Ventures
December 25th, 2014
Y Combinator, Stanford University (CS183B, 2014 Fall)
http://startupclass.samaltman.com/
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Lecture 1 – “Welcome, and Ideas, Products, Teams and Execution Part I; Why to Start a Startup”
Sam Altman (President, Y Combinator)
Dustin Moskovitz (Cofounder, Facebook, Cofounder, Asana, Cofounder, Good Ventures)
Don’t start a startup
スタートアップを始めるな
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Lecture 5 – “Competition is For Losers”
Peter Thiel (Founder, Paypal, Founder, Palantir, and Founder, Founders Fund)
Competition is for Losers
競争は負け犬のすること
17. ビジネスは競争か寡占しかなく、常に寡占を狙うべき
• ビジネスの価値は「X ドルの Y % を得る」と表現でき、X と Y はそれぞれ完全に
独立している。X の価値を作り出し、Y % を取得するのが価値ある企業と言える。
X と Y は独立しているので、どちらの数字も大きくすることができる。
• ビジネスには完全な競争と寡占しかなく、その中間であることはほとんどない。
そして競争に置かれている企業ほど「我々は寡占している」と言いがちである
寡占をするには小さくて成長する市場を狙うこと
• 巨大な市場を狙うというのは、カテゴリーを正しく定められていないと同義。そ
れはつまり競合が多数いるというエリアに乗り出すということ。スタートアップ
は「ビジネスの共通集合はリアルか」「価値があるか」を常に問う必要がある。
• まずは今は小さくても将来拡大する市場を寡占する。そのためには「独占技術」
「ネットワーク効果」「規模の経済」「ブランド」を意識する。ソフトウェアは
規模の経済性に富み、市場が受け入れるスピードが速いメリットがある。
競争の心理から抜け出せ
• 人間は競争や模倣したがるし、競争を一種の検証手段として見做すが、多くの
人々が欲しがるからといって、それに価値があるとは限らない
• 負け犬の定義を変えたほうがいい。競争に負けた人ではなく、競争自体が間違っ
ていると考えるべき
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Lecture 5
Competition is for Losers
競争は負け犬のすること
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Lecture 8
Stanley Tang (Founder, DoorDash)
Walker Williams (Founder, Teespring)
Justin Kan (Founder, Twitch and Partner, Y Combinator)
Do things that don’t scale
スケールしないことをしよう
23. スケールしないことをしよう
• スケールしないことをすれば、実際のプロセスについて習熟できてエキスパート
になれる。最初は自動化なんて考えなくてもいい。スケールしないことがベネ
フィットになる。Product/Market Fit ができるまで、スケールしないことに集中す
ること
• また自分たちでカスタマーサポートを行うことで、どうやってサービスを知った
かや、何をしてほしいかを知ることができる。スケールしないことのメリットを
必ず活かすこと。
• スケールしないことをやめた瞬間に、スケールしないことをしている競合に負け
る。可能な限り、スケールしないことを続けること。
スケールしないことをするために
• 最初のユーザーを見つける:夢のようなソリューションはないので、とにかく個
人的な伝手をすべて使って最初の顧客を得る
• ユーザーをチャンピオンにする:周囲の人に広めてくれるような体験を提供する、
そのためにはユーザーと話す。カスタマーサポートを自分たちで行ったり、離れ
ていった顧客と話す、ソーシャルメディアを使ってコンタクトする。
• Product/Market Fit を見つける:スピード重視で成長を繰り返すこと。10人の顧客
の次は100人に、100人の次は1,000人にと次のステップだけを意識する。
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Lecture 8
Do things that don’t scale
スケールしないことを
しよう
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Lecture 9 - “How to Raise Money”
Marc Andreessen (Founder, Andreessen Horowitz and Founder, Netscape)
Ron Conway (Founder, SV Angel)
Parker Conrad (Founder, Zenefits)
Investor is like a marriage partner
投資家とは結婚するつもりで
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Lecture 10 - “Culture”
Alfred Lin (Former COO, Zappos and Partner, Sequoia Capital)
Brian Chesky (Founder, Airbnb)
Don't want diversity of values, Do want very homogenous beliefs
みんなおなじで、みんないい
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Lecture 11 - “Hiring and Culture, Part II”
Patrick Collison (Co-Founder, Stripe)
John Collison (Co-Founder, Stripe)
Ben Silbermann (Founder & CEO, Pinterest)
First 10 employees
最初の 10 人が企業文化を決める
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Lecture 18 - “Legal and Accounting Basics for Startups”
Kirsty Nathoo (Partner, Y Combinator)
Carolynn Levy (Partner, Y Combinator)
You're not a real founder until you've had to fire somebody
誰かを辞めさせて、初めて本当の創業者になれる
43. 創業はシンプルに
• アイデアは重要だが価値はない。アイデアに基づいてチームで何かを実行するこ
とで価値を作っていく。そして実行の際には必ず key metrics を持つこと。
• 個人を守るために法的に別の存在として会社の設立を行う必要がある。その際は
デラウェア州がお勧め。エクイティの配分もその際に決める。過去の貢献ではな
く未来の貢献を重視し、創業者間ではできるだけイーブンにすること。ただし 4
年間の vesting は行う(ソロ創業でも)。極力慣習に従いシンプルにして、以後の
会社に無駄な制限や労力をかけないようにする。
資金調達には専門用語がいっぱい
• 調達は時間とペーパーワークが発生する。初期の調達は Convertible note か safe
が一番手っ取り早い。ただし家族や隣人と言った、通常の仕組みを知らない人た
ちから調達すると後々問題を起こしやすいので注意すること。
• 投資家が取締役会に入りたいと言ってきたとき、入れるかどうかは、本当にその
人が価値を付加できるかを考えて判断する。また投資家がアドバイスに対して追
加のリターンを求めてきたときには拒否する。Pro-rata right はたいてい求めらる
が、創業者の持ち分のより大きな dilution が発生するので注意すること。また定
期情報共有は重要だが、1週間単位でのアップデートなどは工数がかかるので良く
ない。適切なアップデートを心掛けること。
創業者も従業員
• 契約社員か社員かによって、法律によって定められた以上の給料を社員に払うこ
と。また保険やグリーンカードの問題なども会社側で行うべきことは行う。ス
タートアップ向けの Payroll サービスを使うと便利にこなせる。
• 従業員を辞めさせるときは、早く Face to Face で話し、効果的にコミュニケー
ションしながら、謝らずに進めること。支払うべきものは支払い、システムから
隔離して、unvested equity を持っているなら買い戻すようにする。本当に素晴ら
しい創業者は従業員の契約満期の行い方がうまい。
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Lecture 18
You're not a real founder
until you've had to fire
somebody
誰かを辞めさせて、初め
て本当の創業者になれる
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Lecture 19 - “Sales and Marketing; How to Talk to Investors; Investor Meeting Roleplaying”
Tyler Bosmeny (Founder and CEO, Clever)
Michael Seibel (Partner, Y Combinator)
Qasar Younis (Partner, Y Combinator)
Dalton Caldwell (Partner, Y Combinator)
Listen for sales
売りたいなら黙れ
45. CEO 自身が「聞く」ことを主体のセールスをすべき
• 営業を雇うより CEO がセールスと思ったほうがいい。YC の「顧客と話せ」の中
にはセールスも含まれているし、プロダクトに情熱のある CEO が適任。
• スタートアップの顧客はイノベーターなので 2.5% しかいない。逆に考えればス
タートアップのセールスは失敗しても当然なので、多くの見込み顧客に電話しな
ければいけない。Clever では YC のバッチの最初の2か月に 400 社に電話した。
• 見込み顧客獲得には個人のネットワーク、少人数のセミナーとコールドメールを
使うと効率的。セミナーの前には見込み顧客にメールしておく。メールは簡潔に。
• 優秀な営業は持ち時間の 30% しか喋らず、70% は聞くことに徹している。そのた
めに多くの質問をすること。また何度も何度もフォローアップの連絡をするべき。
また早目に Yes or No の連絡をもらったほうがベター。時間は有限で価値ある資
源なので、無駄に引き延ばされるよりは No と言われたほうが良い。
• スタートアップのゴールは契約を結び、事例を作り、検証して、売り上げを得る
こと。そのためセールスのクローズにおいては顧客に「1 more feature」と言われ
ても拘らず、また無償使用期間を設けないようにすることがお勧め。
ピッチは 30 秒と 2 分だけでいい
• ピッチは短ければ短いほど良い。具体的には 30 秒と 2 分のピッチ以外はいらない。
• 30秒は「会社は何をしているのか」「マーケットはどれだけ大きいか」「すでに
どれぐらいのトラクションを得ているか」の3行を伝えるだけでいい。
• 2分は30秒のものに加えて「独自の洞察」「ビジネスモデル」「チーム構成(特に
エンジニア比率)」「リクエスト(幾ら調達したいか)」があればいい。
• 資金調達のタイミングはトラクションが出てきてから。そして投資家からアクセ
スしてきたタイミングが良い。そして調達期間はマラソンではなくスプリントと
捉え、期間中は一人フルタイムで資金調達に張り付けること。
• 数字をあいまいにせず、きちんと話すこと。ボトムアップで市場規模を語り、投
資家の知らない市場に関する情報を話すと説得しやすい。
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Lecture 19
Listen for sales
売りたいなら黙れ
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Lecture 20 - “Later-Stage Advice”
Sam Altman (President, Y Combinator)
After 12 – 24 months (After Product/Market Fit)
12 ~ 24 か月後 (Product/Market Fit 後)