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オーラルケアブランド「Oclean(オークリーン)」を展開する中国企業「雲頂信息科技」が、シリーズCで政府系ファンドの揚州杭集高新区産業基金から1億元(約20億円)を調達した。資金は研究開発のほか、江蘇省揚州市のスマート工場および海外オペレーションセンターの建設に充てられる。
Ocleanは2016年に設立され、音波式電動歯ブラシや口腔洗浄器、ホワイトニングマシン、口臭・歯垢チェッカー、口腔スキャナーなどを提供している。17年にはクラウドファンディングサイト「Indiegogo」を通じて海外販売を開始。現在は海外事業の売上高が全体の9割に達する。
従業員のうち研究開発スタッフが45%を占め、すでに人工知能(AI)技術を取り入れたスマート口腔診断機能の開発を完了。米国や中国の研究機関や医療機関と共同で、より健康的な口腔ケアについて研究し、複数の論文を発表している。
また、磁気浮上式ブラシレスモーターとアクティブノイズキャンセリング技術を独自開発し、電動歯ブラシの振動音を業界平均の50デシベル(dB)から37dBまで引き下げた。この静音設計をはじめとする技術で世界各国の特許や実用新案などを取得しているため、電動歯ブラシの老舗ブランドとして知られるフィリップスやオーラルBなどとも海外市場で互角に戦える。実際、すでに40カ国・地域以上のオフライン市場に進出しており、公式サイトのほかAmazonやAliExpressなどを通じて120カ国・地域以上のオンライン市場に参入している。
創業者の劉書潤氏によると、Ocleanはドイツやポーランド、ポルトガルなどで電動歯ブラシのトップブランドとなっており、2023年にはドイツで最も愛された商品に与えられる「Deutschland Favorit 」を受賞した。
今年発売した新製品「Oclean X Ultra」は、骨伝導技術を利用して歯磨き時間やブラッシングの圧力などを検知し、音声で歯磨きガイドをしてくれる。自社開発のチップと6軸ジャイロセンサーを搭載しており、8つに分けた歯磨きエリアのどこに磨き残しがあるかを判断し、本体のタッチパネルに表示する機能も備える。最大40日間連続で使用でき、防カビ・防水性能にも優れている。
Oclean X Ultraは、WiFiを通じてユーザーの口腔情報を転送し、歯磨き習慣に関するビッグデータを蓄積する。ユーザーは、専用アプリ「Oclean Care」で自身の歯磨きレポートを確認し、AI専門家のアドバイスを受けられる。同社はすでに、自然言語モデル「GPT」、画像認識モデル「VIT」、複数の画像から3D情報を復元する「NeRF」の3つのモデルを組み合わせたAIアルゴリズムを構築している。
劉氏によると、中国国内の電動歯ブラシ市場はレッドオーシャンに見えるが、子ども用電動歯ブラシなど一部の分野にはまだまだ勝機があるという。Ocleanは子ども向け電子機器ブランド「小天才」と独占的な戦略パートナーシップを結んで国内の子ども向け口腔ケア市場に切り込み、子ども用の新製品「K3」シリーズを発売した。今後は、小学校や幼稚園に通う子ども向けにオーラルケアサービスを提供していく方針だという。
*1元=約22円で計算しています。
(翻訳・田村広子)
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