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ドローンショーのパイオニア企業「深圳大漠大智控技術(Shenzhen DAMODA Intelligent Control Technology)」(以下、DAMODA)が今年1月にシリーズAで数億元(数十億円超)を調達した。同創偉業(Cowin Capital)が出資を主導し、招銀国際(CMB International)や深圳市高新投集団(SZHTI)などが参加した。資金はAI搭載製品の開発や海外市場開拓に用いられる。
多数のドローンを使って空中にイラストを描き出すDAMODAの技術が、世界の注目を集めている。2024年9月には1万197機のドローンを使用した演出に成功し、「1台のコンピューターで制御されたドローンの同時飛行数」と「フォーメーションを組んだドローン数」でギネス世界記録を更新した。同社の演出動画には、米EV大手テスラのイーロン・マスクCEOも反応し、X(旧Twitter)で「Impressive!(感動的だ!)」と称賛のコメントを寄せた。
ドローンショーの盛り上がり
DAMODAは2016年に設立され、ドローンや飛行制御システム、地上ステーションなどを統合したドローンショー向けシステムをメインに手がけている。保有する独自の知的財産権は100件以上に上る。
ドローンショーとは、多数のドローンを駆使して、空中にイラストや文字、アニメーションを描き出すエンターテインメントだ。音響や照明技術と組み合わせることで、壮大な演出を実現する。DAMODAは中国のドローンショーの草分け的存在として、すでに中国の観光地やテーマパーク計100カ所以上でパフォーマンスを披露した。
例えば、広東省珠海市にある水族館・珠海長隆海洋王国では、世界初となるテーマパークでの常設ドローンショーを毎晩8時から実施している。また、2024年の国慶節の大型連休中は、深圳市の5つの区で1万機ものドローンを使ったショーを毎日開催し、多くの観客を魅了した。
これまでにDAMODAが実施したドローンショーは1万回を超え、延べ数百万人を楽しませている。
ドローンショーの安全とスマート化に注力
ドローンショーでは、ドローンの数が多いほど表現の幅が広がる。しかし、データ通信量も飛躍的に増加するため、バックエンドのシステムにかかる負荷が増大し、高いデータ分析能力や制御能力が求められるようになる。
DAMODAが独自開発したドローンは、高性能のモーターやセンサー、制御システムなどを搭載し、不具合などで規定の位置から外れた機体があっても、それを検知して予備機を配置するドット抜け補正機能を備えており、ショーが滞りなく続けられるようになっている。
今年1月にリリースした最新のショー向けドローン「V4」では、数々の技術革新を通じて、パフォーマンスの自動化、スマート化、安全性をさらに向上させた。
また、複数のドローンを同時に自動充電できるドローンドック式充電システムを採用し、二重の給電システムを確保することで、これまでよりもショーの上演時間が大幅に延びた。
さらに、ドローンに不具合が生じた場合は、高度30~60メートルで自動的にパラシュートを展開して、安全に着地できるようになっており、飛行の安全性を99.999%にまで高めた。緊急時にはボタン一つで即座にショーを中止して全てのドローンを帰還させる機能も追加した。
V4の飛行システムはミリメートル単位の精度を誇り、セ氏マイナス20度の低温から50度の高温まで対応する上、小雨のなかでも安定した飛行ができる。斜面や屋上、浮橋、船舶、山頂など複雑な地形からの離陸も可能なため、ドローンショーの導入シーンがさらに広がる。
DAMODAはV4システムのプロモーションにより、国内市場での存在感をさらに高めたい考えだ。一方、海外市場の開拓も積極的に進めており、すでに日本や韓国、シンガポール、オーストラリア、英国、米国、UAE、サウジアラビアなど20以上の国・地域で事業を展開、海外市場での売上高が全体の3割を占めるという。
*1元=約21円で計算しています。
(翻訳・畠中裕子)
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