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2024年トレンドの花決定! フラワー・オブ・ザ・イヤーOTA2024

2005年にスタートし、今年で20周年を迎える「フラワー・オブ・ザ・イヤーOTA」。今回、全国、及び輸入品を含む7万点以上の候補から5点が選出された。量と品質との両方を確保した受賞花きを紹介する。

 

2024年を彩った、
トレンドの花が決定!

その年に流通した花きの中から高く評価された品種に与えられる「フラワー・オブ・ザ・イヤー OTA」。今年も7万点以上の候補から5点の受賞花きが選出された。

傾向としては、コロナ禍以降久しく続く品薄の状況を反映し、定番品目からの入賞が目立った。なかでも近年課題となっている酷暑対策を行い、品質を維持しながら出荷数量を増やすなど、量と品質の両方を確保した生産者が受賞に至っている。
さらに、昨今ファッションでトレンドとなっているペールトーンやくすみカラーは、花き業界においても引き続き人気を集めているようだ。

~フラワー・オブ・ザ・イヤーOTA~とは

年間の取引データに基づく統計分析、及び大手バイヤーによる投票で、トレンドを的確に捉えた品種が入賞される。品質のみならず、流通量や価格などの買いやすさ、色・形などのトレンドを含め、流通の観点から多角的、且つ総合的に評価された結果が反映されているのが特徴。
2005年に始まったこの賞は、本年で第20回目を迎えた。

 

【最優秀賞】
キク(マム) “クラシックココア”

JA愛知みなみ赤羽根洋花部会 ALL4MUM(オールフォーマム) さん(愛知県)

愛知県は全国随一の花き大生産地。国内生産の4割を占めるキクの分野においても草分け的存在であり、老舗大産地である。

伝統にとらわれず「クラシックココア」という大正ロマンを思わせるレトロで新しいキク(マム)をプロデュースし、マーケットを驚かせた。丁寧なつくりと品質に定評がある。

 

【優秀賞】
バラ “オール4ラブ+”

齋藤武 さん(栃木県)

※品種名末尾の「+」は種苗会社の商標登録印。

優秀賞には、齋藤武さん(栃木県)のバラ「オール4ラブ+」が選ばれた。齋藤さんはバラ生産歴50年を誇り、昭和後期より日本の切バラ生産を牽引してきた第一人者である。

国産バラのスタンダードを引き上げ、「国産バラは上質である」という現在の常識を築いた功績から、レジェンドとも称される。

 

【特別賞】
リンドウ “安代のはごろも”

JA新いわて八幡平花卉生産部会 さん(岩手県)

岩手県は国内随一のリンドウ生産地。中でも、JA新いわて八幡平花卉生産部会は、大田花きにおける流通シェアの半分以上を誇る。

「安代のはごろも」は八幡平市のオリジナル品種であり、透き通るような水色が涼やかさを演出。天女が羽衣をまとったかのような印象を持ち、仏花として親しまれてきたリンドウの需要をホームユースにまで広げ、幅広い支持を得た。

 

【特別賞】
“ミモザアカシア”

榎本バラ園 榎本雅夫 さん(千葉県)

榎本バラ園のミモザアカシアのスタートは、裏山に植えてあった3本の花。現在では1,000㎡の畑で栽培し、それでも足りないというマーケットの声に応え、出荷量を増やすべく、仲間とともに部会設立にも尽力した。
現在では部会全体で年間5万本*のミモザ出荷を実現し、生花店にミモザアカシアが並ぶことが当たり前の光景となった。ミモザアカシアの普及を牽引した立役者としての功績が認められての受賞である。

※大田花き直近1年出荷分

 

【新商品奨励賞】
ヒマワリ “ダージリン”

山田容礼(まさよし) さん(千葉県)

ヒマワリにおいては珍しい茶色の八重品種「ダージリン」。紅茶の茶葉の色がにじみ出るかのような絶妙な花弁模様が特徴だ。
業界内外で注目を集めているこのユニークな品種を生み出したのは、ヒマワリのブランドとして業界に名を馳せる、花き生産歴35年を誇る山田容礼さん。山田さんの出荷物は、品質が整っているだけでなく、その荷姿にも細部まで気配りが感じられ、多くの人々から高い評価を得ているという。

【フラワー・オブ・ザ・イヤーOTA表彰式 開催概要】

◆主催:株式会社 大田花き 
◆運営:株式会社大田花き花の生活研究所
◆開催日時:2024年12月6日(金)朝6時50分から7時00分
◆場所:株式会社 大田花き せり室にて(東京都中央卸売市場大田市場花き棟内)
◆予想動員:300人から400人(当日のせり参加買参人数の見込み)
◆HPはこちら(本年の結果は12月6日以降に掲載されます)

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