David Lynch and Kyle MacLachlan, photo by Alberto E. Rodriguez/Getty Images
デヴィッド・リンチ(David Lynch)の訃報を受け、『ツイン・ピークス』『ブルーベルベット』 『デューン/砂の惑星』といった作品でリンチ監督と度々コラボレーションを行ってきた俳優カイル・マクラクランが、長文の追悼文を自身のSNSアカウントで発表しています。
以下、追悼文より
「42年前、僕の理解を超えた理由で、デヴィッド・リンチは無名の僕を引っ張り出して、彼にとって最初で最後の大作映画の主演に抜擢しました。彼は、僕自身も気づいていなかった僕の何かを見抜いていたのです。僕は、彼のビジョンのおかげで、キャリア全体、そして人生そのものを手に入れることができました。
僕が彼の中に見たものは、創造の海が内側から溢れ出すような、謎めいた直感的な人物でした。彼は、僕たち誰もが手に入れたいと願う何かとつながっていたのです。
僕たちの友情は『ブルーベルベット』で芽生え、『ツイン・ピークス』でさらに深まりました。僕はいつも、これまでに出会った中で彼が最も真に生きている人だと感じていました。
デヴィッドは宇宙と自身の想像力とが調和した、人間として最高の姿であるように思えました。彼は答えには興味がありませんでした。質問こそが僕たちを僕たちにする原動力であり、質問こそが僕たちの息吹であることを理解していたからです。
世界は素晴らしいアーティストを失いましたが、僕は、僕のために未来を想像し、僕自身では決して想像できなかった世界を旅することを可能にしてくれた大切な友人を失いました。
今、彼が裏庭で僕を迎えるために立ち上がり、温かい笑顔と大きなハグ、そしてグレートプレーンズのような独特のしゃがれ声で僕に挨拶しているのが見えます。僕たちはコーヒーのこと、予期せぬことの喜びについて、この世界の美しさについて話し、笑いました。
彼が僕を愛し、僕が彼を愛するようになったのは、お互いの最高の部分を認め合う2人の宇宙的な運命から生まれたものでした。
言葉や気持ちでは言い表せないほど、彼がいなくて寂しく思います。彼と知り合えたことで、僕の世界はより豊かになりました。そして、彼がいなくなってしまった今、僕の世界はより空虚になりました。
デヴィッド、僕は永遠に変わらず、そして永遠にあなたのKaleであり続けます。本当にありがとうございました。」