「鎌倉 北じま」@鎌倉(☆☆彡)
https://www.kamakura-kitajima.jp/
「和久傳」出身の北嶋靖憲の大将が、どこにこんなものがと思う様な神奈川の凄い食材を使い、京都仕込みの和食を京都まで行くことなく味わえます。
そのため予約は困難。現在ぼくが唯一次の予約をとって帰っているお店でもあります。
住所:鎌倉市大町4-3-18
電話:0467-73-7320
定休:不定休(完全予約制)
営業:18時〜(昼は貸し切りのみ対応)
場所は鎌倉でも大町の駅から遠くの方。よくぞこの立地でお店をしようと決めたと感嘆するくらい。この場所に絶対に一見で入る人は通りません。
緑に包まれた平屋の古民家リノベーション型のお店。
店の前には駐車場2台分で、石畳のエントランスに紫陽花や竹が鎌倉らしい。
中に入れば穏やかな照明の和の空間で、向かって左にダイニングです。
ダイニングは大将のいる厨房に面した横並びのカウンター。
壁に一輪挿しがあるだけのすっきりした空間です。
黒い塗りの盆に木の箸と手ぬぐい。手ぬぐいは持ち帰れます。
23年3月13日夜の来訪。
18時にお誘いいただだいてカウンターに。
2021年7月15日から1年半ぶりです。
左にはお一人様、「車力門 おの澤」@四谷三丁目の3人、ぼくら、右は日銀総裁が下っ端みたいなことを言っている偉い高齢の方々2人。
前回来た時はキミノユズでしたから。
おまかせコース 27500円
おまかせのみです。
ガラスのお猪口に座付きの桜湯。
フグの白子のスリ流し。手前の飾りには桃の花の蕾の枝。
上にあるほろ苦いフキノトウの葉は少しドライに。サイコロ状の繊細な厚揚げ。そして香り付の陳皮。
熱々で当然のことながら美味しい。
イバラガニモドキという鎌倉で取れる蟹のちらし寿司。
上に錦糸卵。結構たっぷり使われている蟹の身は大きく驚く美味さ。インゲンとレンコン、味付きの椎茸が混ざっています。
こんなに美味しい蟹が鎌倉周辺で獲れると聞いてびっくりです。
当てている大将は熱いのでしょうが、もう慣れたと言っていました。目の前のカウンターに座っていて熱いのに。
それにしても素晴らしい香り。
皮目を焼かれていたのは神経締めの赤ムツ。
なんて美味いんだ!!!
塩と醤油と山葵でいただきます。
江ノ島蛤の変わり椀。
白濁した汁は蛤の旨みたっぷり。蛤の殻はなく、大きくぷっくりした身が2つ。
上には細く切ったごぼうと三つ葉と人参。
江ノ島でこの大きさの蛤がとれることにも感銘を受ける。
ところで、ここで厨房にやってきたのが全国の有名店に魚を卸す長谷川大樹さんが。はま大根、明日葉、クコの葉を持ってきたと嬉しそうに言っていました。毎回のことかと思ったら、今回始めて、実にレアなことなのだと。
魚は昨日釣ったというカツオ。目の前で皮をはぎ、切り分けてくれています。
その心臓はレア。弾力があり美味い。
塩は米と一緒にプレスした塩辛くない塩でした。
なんと相模湾で獲れたという高級魚クエ。その木の芽焼きです。
目の前で炭火で焼くのですが、その煙も凄いことになっていました。換気扇をつけたと言われていましたが、静音設計の高いものにしたら出力が足りなかったのだそうw。
上にはカリカリとした鱗を散らしています。
水深の浅い場所のクエしか使わず、生存競争に勝ち残った水深の浅い場所の魚は美味しいと言っていました。
明日葉とウドと利休麩の白和え。
さっき持ってきたてのを使っているそう。
これがまたとても美味しい。
アンコウのおかき揚げ。香ばしいおかきの衣が美味しい。アンコウの身もプリプリ。生きて捕まえられたものだそう。
そして小さなツボにはゼラチン質な皮の煮凝り。
鰤しゃぶ。枯らしたような色合いのカツオを目の前で切り分け、スープで火を通し、上に九条ネギを盛って提供。
見はもちろん美味しいが、そのスープもとても美味しい。
鎌倉周辺の食材に拘って素晴らしい料理を出されていましたが、ネギは流石に京都の九条ネギでした。
このあとは飯物5種からの選択。せっかくなので小サイズ5種類全部。
最初に太刀魚の棒鮨。肉厚の太刀魚のもの。酢飯はそれほど主張してこない。
イバラガニもどきの蟹の炊き込みご飯、土鍋で炊かれたもの。
一緒にしじみの味噌汁。赤出汁でとても美味しい。
このときに、新しく入ったという寿司屋の息子さんが提供してくれたのですが、東京の修行先を聞くとなんと「初音鮨」@蒲田だそう。近い将来横浜に名店が誕生しそうと感じる。
ミンククジラのラーメン。魚のアラの出汁にミンククジラの油を浮かせたという。上には鯨のベーコン。細麺は縮れた硬めでなかなかに美味い。ネギが「めじろ」と同じ切り方で泣けました。
タコの玉じめ丼。
柔らかく煮込まれたタコの天麩羅の下にとろとろの玉子を乗せたご飯の小丼。
アンコウの雑炊。先程のアンコウの雑炊は贅沢すぎる旨さ。その身もぷりぷりして美味しいのですが、なんと目玉を入れてくれていました。
湘南ゴールドの器にそのババロア。和食の店とは思えない美味しさ。
鶯餅。粒あんにむっちりした餅。
締めは大将が淹れる抹茶。
カウンターは年内いっぱい。個室をオープンするので6月の個室は取れるのだそう。4人から6人までとのことでした。ということで、個室の予約をとって帰りました。