トイレ男がどこで何をしているかというのは、別にどうということのない理由だった。材料の下造りをしていたに過ぎない。原木をサイズに切ったりローラーにかけて表面を磨いたり、つまりその手の機械が別棟にあったのだ。適当なところでまとめてこっちの棟に持ってきて組み立てる。それを山ちゃんが概ねひとりでやっていて大変だったから時折はあのしわくちゃ婆さんが手伝うのだが、これからは幸平がそれをするのだった。
といって幸平にカンナが使えるのでもなし、木の角を機械で落として角度を付けたり、そして徐々にはカンナも仕上げ以外の比較的簡単な部分では作業できるようになって、あんた、筋がいいじゃねえかと二人に言われて気を良くしたりもするのだった。
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