反戦
日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)がノーベル平和賞を授賞しました。大変喜ばしいことだと思うのですが、朝刊(毎日新聞)の1面トップを目にすると、「号外」と見紛うような紙面構成に何となく「違和感」があります。「慶事」とは言っても、米国のメ…
この夏からお目見えした新刊雑誌『地平』の最新号に、日本で暮らすイスラエルの退役軍人ダニー・ネフセタイさんのインタビュー記事があります。表題は、「なぜイスラエルは戦争をやめないのか」ですが、現状では「戦争」というよりは「虐殺」ですし、もし立…
11日、今年のノーベル平和賞に日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)が選ばれ、大きな反響がありました。受賞の報せを受け、箕牧智之(みまき としゆき)代表委員が記者会見で、「パレスチナのガザ地区で、子どもが血をいっぱい流して抱かれているのは、80…
この話は全然知らなかったのですが、今年の6月、京都市のあるホテルにイスラエル国防軍(IDF)所属の男性が宿泊予約を入れましたが、ホテル側の意向を受けてキャンセルすることになりました。ホテル側は、イスラエル軍のガザでの破壊・虐殺行為が国際人道法…
「10月7日」から1年。事態が終息する見通しは立ちません。それどころか戦禍はガザにとどまらず、なお拡大するかの情勢です。昨日の夕方、膨大な死者数と負傷者数、瓦礫の山と化したガザ地区の様子を伝えたNHKのアナウンサーは、何もできない自身と国際社…
岸田首相が8月14日に自民党の次の総裁選挙に出ないことを表明した際、夏の外交日程に区切りがついた(ので?)と言っていましたが、翌15日に全国戦没者追悼式が控えていることを考えると、なぜこのタイミングなのか、少なからず違和感をもちました。翌日の式…
8月6日午前8時15分と3日後の8月9日11時02分――心に刻まれた時刻です。広島の資料館でその瞬間を「想像」」してからずいぶん月日が経ちましたが、来年も再来年も、生きていられたなら、それは変わらないと思います。 おとといは広島で被爆者慰霊のための式典が…
米国のトランプ氏が共和党大会で大統領候補に指名されました。3日前(7月13日)、演説中に狙撃されて負傷し、右耳にガーゼを当てた痛々しい姿で党大会の会場に現れ、拍手を浴びました。いつものごとく「吠える」ことなく、わりと静かにしているように見えた…
5月3日の今日は憲法記念日です。1947年のこの日に新憲法(日本国憲法)が施行されて、77年。憲法遵守義務のある公務員の頂点に立つ総理大臣が、率先して憲法を変えようと呼びかけ、他方で、「立憲民主党」なる名の政党ができるくらいですから、この間、この…
ガザの死者が2万5,000人を超えたそうです。去年10月のハマスの「越境攻撃」で亡くなったイスラエル側の死者は、約1,300人と言われているので、こんな数字の対比は嫌なのですが、約20倍の開きがあります。 ガザの死者2万5000人超 戦闘停止めどたたず ロイター…
先日久しぶりに大きな書店に行って本を買いました。ロシア史研究者の和田春樹さんの自伝というか回顧録『回想 市民運動の時代と歴史家 1967-1980』(作品社)という新刊本に目が留まりました。和田さんと「同時代」を生きたというには、和田さんの方が年齢…
イスラエルがガザ地区での戦闘を再開させてから、ほぼ一方的にガザの住民の死傷者が増えています。イスラエルはハマスを根絶やしにするまで戦うと言っていますが、最初に攻撃を仕掛けたのはガザ地区のハマスだったとはいえ、これは本当に「自衛行為」と言え…
昨日、今日と、新聞を開くと、イスラエル軍の激しい爆撃が続くパレスチナ自治区のガザ地区で、家族とともに暮らす一人の教師の手記が掲載されています。毎日新聞の社会面にあります。 今朝は寒かったので、初めてストーブを出して火を入れたのですが、この記…
パレスチナ出身で学者・文芸批評家のエドワードWサイードが亡くなって20年になります。最近はあまり本屋にも行っていないのですが、一時のように著書を目にすることが少なくなって、だんだんと忘れられてきている気もします。イスラエルとハマスの戦闘が始…
「歴史の真実」とは何なのか。そしてまた、「真実」は自分の側にだけあるという思考は、結局どこに向かうことになるのか。 ――昨日の朝、毎日新聞を見ていて、栗原俊雄さんの記名記事が目に留まりました。関東大震災から100年を迎える今年の9月1日。それは震…
昨日Twitterを眺めていたら「#三浦瑠麗をテレビに出すな」というハッシュタグが立っているのに気づきました。いつもの「炎上」かと思ってそのまま通り過ぎましたが、今日も相変わらず立ったままだなあと思ったので、覗いてみたのですが、やっぱりというか、…
ウクライナ南部の拠点都市ヘルソンからロシア軍が撤退し、報道を見ると、市民がウクライナ国旗を身にまとって国歌を唄うなど、街はお祝いムードに包まれています。覆面ストリートアーチストとして知られるバンクシーがウクライナのキーウ近郊に現れ、幾つも…
副題は「アフガン帰還兵の証言」。 原著は1991年刊。日本語訳は、故・三浦みどりさんの訳で、1995年、日本経済新聞社から『アフガン帰還兵の証言』という題名で刊行されています。今回改めて、奈倉有里さんの新訳で、岩波書店から増補版(裁判記録付)として…
ウクライナ戦争で劣勢にあるロシア・プーチン大統領が「部分的動員令」を9月21日に出してから一週間。「部分的」という語が何となく引っかかって、勉強ついでに調べると、確かに«Частичная мобилизация (partial mobilization)»と言っているようなので、訳せ…
ロシアがウクライナへの侵攻戦争を始めて半年になります。この間も関心を失ったわけではなく、報道を気にしてきたつもりですが、当初のようにどんな些細なことでもキャッチしようとする気持ちが薄らいだことは否定できません。それでも、身元が分からずに亡…
今日は短く。2008年に亡くなった加藤周一さんが1945年8月6日の後の広島を回想した文章です。 広島には一本の緑の樹さえもなかった。見渡すかぎり瓦礫の野原が拡がり、その平坦な表面を縦横の道路と掘割の水が区切っていた。石造の建物がいくつか、崩れ落ちず…
ジャーナリストの神保哲生さんが識者にインタヴューする好評企画。今回は、元外交官で評論家の孫崎亨(まごさき うける)さんから話を聞いています。 戦闘が始まってはや4ヶ月、現下のウクライナ戦争はまったく終結が見通せません。神保さんの話ではなお1日100…
「もう二度と戦争はあってほしくないというのがわれわれすべての願いですが、もし仮にそういう事態になったら、あなたは進んでわが国のために戦いますか」――こう訊かれて、「はい」と答えた人の比率は、日本の場合(2017~20年)、13.2%と世界79カ国中最低…
AFP BB News にロシアで反戦の声を上げる人たちの記事がいくつかあります。 5月22日付の記事で紹介さている画家のエレーナ・オシポワさんは、独ソ戦でナチス・ドイツによって2年半近く続いた「レニングラード包囲戦」を経験した女性で、これまでウクライナ侵…
内田樹さんが昨日(5月2日)のブログで、ロシアと日本に共通しているのは「未来のあるべき姿」を提示できないことだと書いています。ロシアと日本 衰運のパターン - 内田樹の研究室……外形的な数値ではまだ日本の方がまさっているけれど、長期低落傾向に伴う…
フランスの歴史家エマニュエル・トッド氏のインタヴュー記事が4月8日付の文春オンラインにあります。タイトル(「 日本核武装のすすめ 」)に「腰が引けて」しまってそのままだったのですが、話によると、内容の大半は傾聴に値するとのことです。オンライン…
今日は短く。 朝日新聞ニューヨーク支局の藤原学思・記者が伝える記事やTweetには、国連の動きをリアルに伝えるものが多く、大変貴重でありがたく読ませてもらっています。 ロシアのウクライナ侵攻に、国連が有効な手を打てずにいる状況を歯ぎしりする思いで…
経済学者で元ギリシャ財務長官のヤニス・バルファキス氏のインタビュー記事を読みました。ギリシャの経済危機にあたって、その最前線に立ち、債務整理とEUやIMFらと交渉にあたった人で、何冊か日本語訳の著書も出ています。 「ピープルズ・プラン研究所」の…
暑くなってきたので網戸を入れることにしました。例年だと、5月の連休明けくらいにする「年中行事」なのですが、桜がまだ残っている4月にするのは初めてです。「主人」のいなくなった部屋のガラス戸にも一応……と思って、ガタゴトと付けていると、中から「お…
ロシア軍の侵攻から40日余が過ぎてウクライナ各地の状況が次々と明らかになり、世界中からロシア・プーチン政権を非難する声が上がっています。この目を背けたくなる惨状を見たら、誰でも当然のことと思います。ウクライナのゼレンスキー大統領は、破壊され…