今日は短めに。
昼にTBSの「ひるおび」を見ていて、政治資金規正法の改正に向けた各党の動きについて、元駿河台大学客員教授(!最近この肩書きが出なくなりましたが)田﨑史郎氏がどもりどもり「解説」する様を見ていたら、昨日の参院予算委の岸田首相のおどおどした、たどたどしい日本語答弁とその姿が重なって見えてきました。要するに、何かを気にして、思うこと(知っていること)を自由に、実直にしゃべっていない(しゃべれない)という意味で、二人の現在の「心理状態」は、どこか似たところがあるような感じがしました。見ている側からすると、別に饒舌でなくていいので、普通に話をしてほしいのですが。あるいは、国会でもテレビでも、「第一線」に立って頭の回転素早く受け答えするのは大変なのかも知れませんが、もしそうであるなら、そろそろ後進に道を譲ったほうがいいのではと思います。まあ余計なお世話でしょうけれど(笑)。
それはさておき、昨日の参院の予算委員会の答弁で「んっ!?」と思ったのは、岸田さんの答弁ではなく、隣の隣に座っていた公明党の斉藤国交大臣の答弁でした。これは岸田さんとちがって(笑)誰が聞いても極めて明快(明解)です。下の動画の1:01:55あたりからです。
【国会中継】参議院 予算委員会 岸田首相出席で集中審議(2024年5月22日) - YouTube
辻元委員:斉藤国土交通大臣にうかがいます。公明党は……、立憲(民主党)も政策活動費はやめたんです。公明党も一切やってないですね。
斉藤大臣:あのー、国土交通大臣としては、今のご質問にお答えする立場にはございませんが、その上で、公明党に所属する一議員として申し上げれば、党から議員個人への政策活動費の支給は行われていないと、このように承知しております。
辻元:あのね、斉藤さん、斉藤さんも与党です。与党として、公明党、政策活動費、領収書のいらないお金がなかったら、何か仕事に差し支えることがありますか?
斉藤:あのー、私自身、公明党の幹事長も務めましたが、あのー、政策活動費の支給を受けておりません。そして、活動に支障を感じたことはございません。
(おーっ、ほらぁー、の声)
辻元:何で自民党だけ活動に支障を来すんですか?……
岸田さんは、政策活動費の使途を明らかにすると、「個人のプライバシーや企業の営業秘密、政党の大きな方向性を外部の政治勢力や外国に知られることになる」と繰り返していますが、自民党との取引がバレるとまずい個人や企業って、いったい何をやっているのかと素朴に疑問に思います。今朝たまたま自民党を離党した(ことになっている)世耕氏の資金管理団体が「裏金」でドンペリを何本も買っていたという記事を目にしたのですが、岸田さんたちが言っている「支障」というのは、こういうことなんではないかと想像してしまいます。あるいは、「外国」に知られるとまずい金の使い途があることを、この期に及んでわざわざ出すなんて、自民党の政治活動って「国家機密」なんだろうかと疑ってしまいます。もはや、どこかの国と同じで「党国一体」なんですかね?
【独自】自民・世耕弘成氏が裏金で高級シャンパン「ドンペリ」購入 “泡”と消えたのは45万円也!|日刊ゲンダイDIGITAL
「ひるおび」では、各党の案がばらばらで6月の会期末までに話がまとまるのでしょうか、と振られて、田﨑氏の隣にいた毎日新聞論説委員の佐藤千矢子氏(だったと思いますが)は、自民は野党(の「厳しい」方の)案に乗るしかないでしょうと半分呆れたように(吐き捨てるように)言いました。岸田さんは「再発防止」と繰り返しますが、自民党案でそれが達成できるとは誰も思わないでしょう。「再発防止」の「発」は「発生」ではなく「発覚」の「発」じゃないのかという印象は拭えません。姑息にも何とかして「抜け道」を確保しようとするから話が進まないんで、政治資金規正法は、企業団体献金を禁止する、代わりに公費で議員の政治活動費を賄う、その代わり収支報告を厳格にする――と、以前に決められた基本線に沿って、議員はこれをしっかり守ればいいだけの話だと思います、本来は……。