APEXから紐解くコミュニケーション能力を上げるために気をつけるべき事
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皆さんはゲーム、好きですか?
僕はあまりゲームをやってこなかったタイプなのですが、1年ほど前からAPEXというFPSゲームにハマっています。
Twitterで事あるごとにトレンド入りしているため知っている方も多いのではないでしょうか?(大体はネガティブな文脈でトレンド入りしてますが)
目次
APEXの優れている機能
このAPEXというゲームはパーティの行動指針をピンで指す(シグナル機能)というコミュニケーション方法があり、VC(ボイスチャット)を使わずともある程度の認識共有が出来るという非常に優れた機能があります。
この機能の優れているところは、この機能一つでコミュニケーションと、試合でのマイルストーン設定が出来ることです。
ゲームの性質がバトルロワイヤルであり、時間経過ごとに行動範囲が狭まるため、より高順位で上がる為にはより早く敵よりも良い場所を押さえる事が必要になってきます。
そういった試合内のゴールに向けて、何処に向かうべきか、どのルートを通って良い場所に入るかをピンを使って示すことが出来ます。
このピン機能はAPEX以前のFPSゲームにはなかった機能で、APEXを開発するEA(エレクトロニック・アーツ社)の考えるアクセシビリティの観点から生み出された技術だといいます。
APEXローンチ当初からこの機能は高い評価を得ており、現在ではEA社の培ってきたこのようなアクセシビリティ関連技術の特許を無料開放し、ゲーム業界全体がアクセシビリティについてより良い方向に進んでいます。
コミュニケーションエラー
長々とAPEXについて語ってしまいました。もう少し話させてください。
僕はAPEXを固定パーティ(友達とパーティを組んでます)でプレイしているのですが、固定パーティだとある程度気心が知れているため、VCを使ってプレイしてます。
その際に、普段のVCを繋いでいない時より認識共有出来ていない場面が多々あるのです。
それは、思わぬ場所で敵パーティと遭遇してしまった時。
より具体的に言うと、ある程度距離が開けている場所で仲間が敵を見つけた、または敵に発見され撃たれた時です。
その場合、瞬時に
- 遮蔽物に移動するのか、その場で撃ち合えるのか
- 敵パーティの構成は何か
- 敵は何人視認できるか
- 味方との距離はどれくらい開いているか(カバーがもらえる位置か)
等、複数の事を考え処理していかなければなりません。
そういった情報量の多い状況下で人間の言葉というものは語彙力がなくなり、非常に抽象的な表現になってしまい、コミュニケーションエラーが度々起こります。
「アレ撃って!」「あの岩の裏!」「右に行こう!」など、よく僕のパーティでも言ってます。
前述したピン機能を併用すると情報の確度はより高まりますが、VCで繋いでいると口で言った方が早いと考えてしまいピンを刺すのが行きたい方向を指す時のみ使用されたり、そもそも戦闘中に使ってくれない事も多いです。
「アレ」や「あそこ」など抽象的な表現は、各味方が居る位置・そして見えてる景色によって認識が違います。
「右」や「左」などの方角に対しても、同様のことが言えます。
他のFPSでよくあるNEWSダイヤルでどの方角のどの数字の場所、と言えば具体性は上がりますが、僕のパーティは他のFPSをやっていない(FPSはAPEXがほぼ初めて)なので、その伝え方もほぼ出てきません。
まぁ、そもそも各々のプレイヤーのスキルが上がれば、上記のトラブルも減るとは思うんですがね…
やっと本題です
ここまでダラダラとAPEXについて語ってしまいすいません。
ここからが本題です。
上記のコミュニケーションエラーを体験して一つ思ったことがあります。
「あれ、これってプロジェクト間で起こるコミュニケーションエラーと同質じゃね?」
クライアントとの間に認識の違いがあった時、おそらく誰しもが一度は必ず経験があると思います。
自分の場合、その原因は必ず「クライアントも知っている/同じものを見ているという前提で話をしてしまっている」のが原因でした。
以前クライアント担当者と対面しながら話していたときも、同じものを見ているのに何か認識に差があるなと感じた時があるのですが、その時はクライアント担当者がテキストリンクをリンクと認識していませんでした。
クライアントによってはWeb担当部署が無いということもザラにありますし、担当者のネットリテラシーも本当に人それぞれです。
むしろ、僕たちに仕事を依頼してくれるクライアント担当者の大体は自身の担務している業務と兼ね合わせてWebプロジェクトに参加してくれています。
ブラウザにしてもそうです。
弊社では特にご要望がない限り、基本的にモダンブラウザの最新バージョンという範囲で動作確認を行っております。
もちろん要件であればIE11で動作する様構築もします。
しかし、「IE11も対応します」という案件で決済者のブラウザはIE10だった事も過去にあります。
そんな様々な経験をしてきて、「如何にコミュニケーションエラーを起こさないか」を考えた時に、僕が気をつけている事を今回この記事で共有したいと思います。
説明するなら省略しない
何かを説明しなければ行けない場合は、絶対に内容を省かない。
「何故こうなるのか」「こうなるとどうなるのか」は必ずセットで伝えます。
因果関係がわからずに、結果だけを伝えても納得感が薄いですし、そもそも何か起こった場合、その担当者で完結しないことの方が多く、上長様へ担当者が説明しなければ行けないケースを考えて置かなければなりません。
専門用語を使わない
クライアント担当者がわからない言葉は極力使用せず理解しやすい言葉に置き換える。
置き換える言葉が見つからず使用する必要がある場合は意味を伝える。
クライアント担当者にopacityと言っても当たり前ですが大体伝わりません。(僕がそうでした)
前提としての認識をすり合わせる
ターゲットを明確にする。
ターゲットと言う言葉は、非常に使い勝手のいい言葉です。
それ故に、プロジェクト後半になるとターゲット定義がいつの間にかすり替わっていることがあります。
企画構成の段階でターゲットの定義を明確にし、ブレないように担当者との認識のすり合わせを確実に行いましょう。
プロジェクト自体の構造を理解する
どんな承認フローでこのプロジェクトが回っているか意識する。
コレもまたよくある事なのですが、クライアントとの間に代理店が入っている場合や、複数の代理店が入っている場合がよくあります。
その場合、製作者や企画構成立案者がクライアントへ直接プレゼン出来る可能性はほぼなく、必ず上流工程の誰か(ディレクターやプロデューサーの立場の方)が代弁することになります。
そういった事を踏まえて、認識の乖離が起こらないように事前にドキュメントの準備などはしましょう。
終わりに
こんな感じで色々気を付けていますが、それでもトラブルが起こるときは起こります。
人が複数携わっていると、何処かで必ず伝言ゲームが始まるので、そんな時は勝手に各々の解釈で話を進めてしまうものです。
そんな不測の際が起こったとしても被害を最小限に出来るよう、日頃から最大限気を使っていきましょう。
みんなもAPEX、やろうぜ!!