中公新書「韓国の軍隊」という本を読んだが、これが実に面白かった。
ご存知の通り韓国の軍隊は徴兵制を敷いているが、このことにより、韓国の成人男性は、様々な体験をしていて、
様々なリテラシーを身に付けている。
例えば、いろいろな設営作業に従事するので、土木関係者でなくても土木リテラシーが身に付くし、
「対民支援」ということで、過疎地の農作業支援に従事するため、
ソウル生まれのソウル育ちの都会っ子でも、農作業リテラシーが身に付いてしまう。
※韓国軍が、一見軍事とは縁のない過疎地の農作業支援を行うのは、
「過疎化が進行してしまって、限界集落・無人化してしまうと、そこが即ち北朝鮮の工作基地になってしまうため、
国防的には最低限の農村集落居住を維持させたい」という国家の意思が働いているようである。
しかし、韓国徴兵制の最大のメリットは、「権力者リテラシーを、ほぼ全員に身に付けさせられる」という、巧妙な仕組みにあった。
最初は二等兵で入営するが、早くて8ヶ月程度経ると一等兵に昇進し、更に早くて6ヶ月程度経ると上等兵に昇進し、
更に早くて5ヶ月程度経ると兵長に昇進するらしい。
逆に、よほど「素行が悪い」「体力的に劣っている」ということがなければ、大体の男性は、除隊までの24ヶ月の間の最後の方で、
兵長にまで昇進するらしい。
通常、兵長は10人程度の下等兵を束ねることになる。
つまり、「10人程度の組織のリーダー」を、徴兵期間の最後の数ヶ月間、体験することになる。
こういう仕組みが成立する前提としては、
「徴兵入営のタイミングが、月によって「平準化」されている、というカラクリ」が前提となる。
例えば第99兵団で、2013年4月入営の徴兵兵が1人、
常に毎月1人入営のペースを維持していれば、
「2011年6月入営、2013年5月除隊の兵士」から見たら、
「2013年5月時点では、自分の周囲は23人の後輩兵」ということになる。
「入営時期を平準化させ、コンスタントに後輩兵が誕生する仕組み」を作っておくことで、
「徴兵期間の最後の時期に、下等兵を指揮するリーダー体験を味わうことができる」という仕組み。
「徴兵当初はキツかったが、除隊直前の兵長体験が非常に心地よかった」という体験。
「兵長を体験したことで、権力の魅力がわかった、除隊後一般社会に出ても、権力者を目指したい」という男性が、結構多いらしい。
「リーダー経験、権力者経験を、等しく成人男性に積ませることで、
権力志向の人間は虐待(部下いじめ)を合理化しやすいなど、必ずしもその全体的特性が好ましいとはいえない。
http://anond.hatelabo.jp/20130513233029 日本の左派な人々は、「住基ネットがお嫌い」「政府によるプライバシー侵害がお嫌い」な割には「韓国がお好き」な方が多い。 そういう左派な方々は、...
民主活動家と軍事政権を「韓国」ってだけで愛しちゃってるサヨクっているの?
そんなデータベースあるのか。 もし、そのデータベースに関する日本語の文書かソースがあれば教えて。
お前さ-。ハタチの頃の一番遊びたいし遊べる時に軍隊とか行きたい?行きたかった?徴兵制を美化するなよ
横だけど、どこが「美化」してる? ~~だそうだ、としか書いてないよ。どこかに~~で素晴らしいとか書いてある?
記事の名前を書くと特定されそうだけど、今の韓国の若者のインタビューをまとめた記事で「一番いい時期に兵役に取られるんですよ。本当に辛い」って書いてあった
トピ主だが、「数が合わない」と誤読している人が多い。 日本的感覚で、「4月に一斉に入営して、翌々年3月に除隊する」と早合点するから、 「そもそも後輩兵士がいないじゃん」と...
郷に入れば郷に従え。ここにトピックは立たない。
http://anond.hatelabo.jp/20130513233029 「徴兵期間内に昇進させて、徴兵末期には10人程度の兵を任せる」という制度設計していたのか? 今の韓国は貧富格差は激しいが、「身分格差」は存在...
余談だが、韓国も民主化前は、権力層子弟の徴兵逃れが横行していたが、 民主化後は徴兵逃れしていると白眼視されるため、国内で真っ当な社会生活を送るつもりなら、 権力者子弟も大...
「下士官でもない兵長が権力者なんて、笑止千万」というはてブもあるようだ。 この本に書いているエピソードでは、 「自分の好きな時間に売店にもトイレにも行ける、テレビも見れ...
なぜそこで「資格」とやらが出てくるんだ。 漏らした経験がなければ権力者ごっこを笑い飛ばせないのか。