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2024-11-27

職場で生き残れるか不安がある(地方公務員) part.1/2


地方公務員として勤め始めて30年以上になる。きっかけは、高校卒業して1年ほどプー太郎をしていたところ、祖父の紹介で関東地方にある市役所受験することになった。

まだ19才の頃であるバイクを乗り回したり、タバコを吸ったり、酒も飲んだし、新宿クラブで不良と群れたり、無辜女性不埒な行いをした慶応大学サークル連中をクラブの壇上で叩きのめしたり、その他やんちゃをしていた。

祖父が「このままだと孫の将来が危ない」と心配してくれたのだと信じているし、今でも感謝している。毎年墓参りに行っている。

まり勉強しなかったが、筆記試験集団面接試験はスルッと通って、最終面接でも面接官とウマが合った。会話は終始スムーズに進んだ。

祖父が私を売り込んでくれたのか、今にして知る術はない。しかし、そうなのだと思う。今でも、東京都内市区町村役場では、試験実施前の時点で合格が決まっている(※特に高卒枠)ような子が存在する。

地元が大好きであるとか、地元の名士のご子息とか、中高生時代役場トップから認められるような成果を出した子達である。ここまで行くと、堂々と高校推薦で採用すればいいのに――と思う子が多い。

私はそんなレベルじゃなかったが、当時は公務員は人気がなかった。地元から推薦があった子を採用するというのは、どこの地方役場でもそうだったと思う。あと数年遅かったら採用されなかった可能性が高い。



実は、不安がある。年齢を重ねる度に膨らんでいく。若い頃はこんな感情はなかった。本当にいい時代だった。

実際、地方公務員になって更生を果たすことができた。やんちゃ自分から卒業できた。甘っちょろい自分に、社会人としての振る舞いやマナーを叩き込んでくれた。こんな私でもちゃん教育してくれた。

この組織は『上』から命令絶対である公序良俗法令常識や慣習に関係なく、命令には従わねばならない。法令順守の場面が圧倒的に多いのだが、人間の屑にならねばならないこともある。

何十年も前の話だと、画材屋で買った油紙を擦って擦って擦って、いわゆる市長副市長印鑑(個人名の決裁印)を偽造して、過去事務ミス修正せねばならないことがあった。その時の上司は、やり方だけを私に説明して、具体的な指示はしなかった。

若かりし頃の私は、実際にそれらをやり通した。起案行為漏れていた件で決裁文書を事後作成したり、国庫補助金事業に係る請負契約書を後付けで作ったりした。組織のためだと信じていた。こうしなければ、国や都庁お金返還せねばならなくなる。ならば仕方がない。組織を守るためだ。

税の更生処分のことで裁判沙汰に発展した時には、法廷事実と違うことを言ったりもした。いわゆる偽証だが、自分だけじゃなくほかの職員も同じことをしていた。組織を守るためなら、これくらいの罪は許されると考えていた。

この時代、国や都庁職員だって偽証をやっていたのだから、全国どこでもこれくらいはやっている。裁判だってわかっている、あの人達組織に雇われて裁判執行しているのだから。俺達と同じサラリーマンである。そんなことを、若い頃の自分は思っていた。

後悔がない。と言えば嘘になる。今は罪悪感がある。過去に戻れるなら――あんなことをしなければよかった。



さて。上の言う事に従っていれば結果が悪くても大丈夫。下の者は責任を取らなくていい。それが公務員組織原則である

そのうえで、公務を正常に行っていくために、予算人員にも常に余裕があって、いざという時に即時対応できるようになっている。

さらに、リスクを取らざるを得なかった職員を守るために、身分保障という大事ルールもある。この原則は今後何百年経とうが消えないだろう。

そして、厳しい現場や、難しい調整は多々あるものの、長年頑張った職員には、一番ヒラの職員でも退職金は二千数百万円が支給される……。

そんな時代がずっと続くと思っていた、そういう時期が自分にもあった。若気、いや中年の至りである。ここ数年まで、差し迫る危機に気が付かなかった。わが国の公務組織はずっと安泰だと思っていた。少なくとも私の時代はセーフだと。

[JobQ Town] ※参考URL別に読まなくてもいい

地方公務員は将来性はやばい?今後公務員未来は明るいのか解説

https://job-q.me/articles/15320

流れが変わりつつある。

変化の要点は、3つある。法令予算人員である。今、私が特にヤバイと感じているのは「人員」だ。最初の2つは手短かに説明する。

1つめの法令だが、要点は……世の中の発展に伴った社会の変化のスピードである

地方公務員というのは、正直サラリーマンに毛が生えた存在である(特別権力関係否定)。民間勤めのサラリーマンと同じである。実際、労働基準法の大半が適用される。

だが、国家公務員はそうはいかない。あの人達は、国単位責任をしょっている。特にキャリア官僚がそうだ。社会の変化に対して迅速に対応しつつ、法律政令通達を作り、地方に対して【指示・指導命令・助言】を行う必要が常にある。

近年話題の分野だと、少子高齢化自然災害リスク社会全体のデジタル化・感染症対策犯罪の高度化、まあこんなところか。数年前だと、新型プリウス流行った頃に、国民1人あたり10万円の給付が決定した。あれも内閣府によるスピード決定だったが、給付の実務をやることになった市町村役場阿鼻叫喚地獄と化した……。

経験が少ない業務で混乱しがちだったのは致し方ない。が、国の事務要領が推奨する手続きに従って実務を行ったところ、給付ミスが相次いだのは記憶に新しい。キチンと組織レベルで熟考をした地方自治体だと、「うん、アナログの方が絶対にいい!!」という正しい結論に達することができた。が、国の意見鵜呑みにした自治体デジタル関係不具合ヒューマンエラーデザインミス阿鼻叫喚となった。

日本というのは元々、分権の社会である江戸時代までは、いわゆる封建制(※中世封建制とは違うみたいだが)スタイルで、幕府あるいはその時の最強組織が国を統治していた。

明治政府になって、ヨーロッパ列強を見習って中央集権でいこうとなったものの、それが失敗であることが判明し、現在のような封建制に近いやり方――国の法律に従いつつ、地方政府が国防警察以外の統治を行うという手法確立している。

だが、それは大昔の話である。今のようにテクノロジー進歩すると……議論を経ずとも正しい知識手法が即座にわかるとか、連絡通信物理的・技術的なハードルが下がると、中央集権スタイルでも国家運営可能になる。

今がまさにそうだ。どんな行政分野でも、国が施策事業のやり方のパッケージをあっという間に作ってしまい、メール一本で地方に通知通達する仕組みになっている。正面から逆らうのは難しい。地方政府は連邦制国家ではないし、国に運営上の財布を握られている。身動きが取れない。

具体的には、○○分野の行政プランを作るとか、イントラ行政間で統一するとか、人員配置を市民100人当たり○人にするとか、税金その他をクレカQR決済に対応しろとか、現場仕事民間委託しろとか、現業職採用するなとか、やりたい放題で指示や指導が飛んでくる。

地方分権が進んでいる!という異論はあろうが、あれは国や県にとって旨味のない業務市区町村押し付けている面が大きい(※特に維持管理系が多い)。天下り既得権関係する業務委譲してくれない。それでいて、市町村合併・協定や、実入りの薄い許認可事務など、自分達が得するもの瞬足押し付けてくる。

2つめの予算だが……少子高齢化に伴って、自治体に入ってくるお金は減り、出ていくお金が増える。うちの役場予算編成も危機感が生じている。

新規事業財政部門がほぼ落とすし、新しい公共施設建築トップ命令でないと不可能に近い。公共設備を修繕するための予算がないから、業者に無理を言わねばならない。消耗品費の予算ゼロになる部署が増えている。事務用品は自腹で買うか、昭和後期の先輩方のモノを使う必要がある。

正直、金がないとどうにもならない。業者発注した支払分とか、市民への生活補助のサービス実施できない。以前は、予算上・契約上のテクニックによりカバーできていた。今は不可能に近い。

3つめの人員だが、こちらが本題である。正直、1と2はベジタブルに等しい。

数十年前に比べて、いわゆる問題のある職員が増えている。激増ではないものの、確実に増えている。

ざっと数年分を思い返すだけでも、こんなところだ。

上司から指導を受けても完全スルー。間違ったやり方を続ける

・同僚から信用がないことを告げられても、「どうでもいいです。人生優先順位が低いです」

・勤務中に罵詈雑言(「ぶっ殺すぞ」「なんだお前はっ!!」「駆除するぞ」など)

業者市民に平気で嘘をつく。自分仕事を押しつけて減らすため

・市主催美術展への作品提出に来た障がい者が帰った後、様子をマネして周りのウケを取る

思い出そうとすれば、あの10コ以上は余裕である関東圏内役場でこうなのだからもっと田舎の方にいくと、さらに忌まわしい事態になっているだろう。

こういう職員跋扈することで、まともな職員退職に繋がっていく。今は転職市場が発達しているから、30代でスキルを身に付けた職員が毎年十人くらいは職場を去っていく……退職理由の中に、問題のある人間に対して甘すぎるという意見が確実にある。

正直、そういう職員飲酒運転とか、暴行障害とか、そういう事案を起こしてくれるとありがたい。良心の呵責なく免職処分を発することができる。

実際、上記のような言動をする職員に対して有効な手立ては……2024年現在、「ない」と言っていい。更生を待つしかない。更生率は2割に満たない。

こうした対処のしようがない問題職員が増加している。その中で、どうしても救いようのない職員に対してのみ相当厳しい措置が取られる。【後述】

※どうしても見切れるため一旦切って投稿する。私の環境だと5000~6000文字限界のようだ。

(続きです)

https://anond.hatelabo.jp/20241127220228

記事への反応 -
  • (前回) https://anond.hatelabo.jp/20241127205544 それでは、昔は問題職員をどうしていたか? 無理やり追い出していたのだ。 わかりやすいのが、今でいうパワハラである。昔はパワハラとい...

    • デリヘル落ちが無いとつまらんなぁ

    • 自分も30代前半で公務員してたけど、問題職員の尻拭いさせられて結局辞めちゃった 人生設計めちゃくちゃだよ笑 未だに問題職員はのうのうと仕事してるから笑うわ

    • 公務お疲れ様です。 正しいと信じることをするならば、それ自体が報酬なのです。誰の評価も必要ありません。   まして現状、正しいことをして、報酬が出て退職金が出る。素晴らし...

    • 50だったら早期退職でもいいんじゃないのと思ったけど 高卒だと天下りみたいなのものもないから やりがいや収入の面ではやはり なるべく続けたいものなのかな

  • 冒頭の「無辜の女性に不埒な行いをした慶応大学のサークル連中をクラブの壇上で叩きのめしたり」 のところで「あ、小説ね…」とスンと冷めてしまった。

  • 「暴力…やはり暴力は何も解決しない…」

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