昨年のちょうど今頃。30代後半になった私がはじめて0歳の息子と一緒に地方の実家に帰ったときのこと。
母親と実家近くの公園を散歩していたら、私が小学生のときに仲良しだった同級生のお母さまに偶然遭遇。
20年以上会っていなかったのに「わぁ久しぶり!お子さん産まれたの!えーおめでとう!可愛いねえ!」と気さくに声をかけてくれた。
それに対して、私が「ありがとうございます」を言う間も与えず食い気味で、半笑いで答えたのが私の母親。
「いや全然、そんなことないです、歳いってからの子だから。笑」
「おめでとう」をくれたのに第一声ありがとうを言わないの、相手に失礼じゃない?
せっかくいただいた「可愛い」を本人の目の前で他人が否定するって、0歳の息子にも失礼じゃない?
「歳いってる」だなんて今必要のない余計なことでわざわざ下げるのは、私にも失礼じゃない?
よくよく聞いたら彼女も最近子どもが生まれたばかりだというので
間接的にそちらも「歳いってからの子」ということになり失礼じゃない...?
「ありがとうございます、◯◯ちゃんも元気ですか」と話をそらすのでやっとだった。
母親にしたら「身内が褒められたことについて、この場の年長者として代表して謙遜した」つもりだったのか。
気づいてみれば昔からそうだった。
”こちら側”を下げることで相手を持ち上げるコミュニケーションのしかた。
”こちら側”は母自身だけじゃなくて身内、いつも娘である私も含まれていた。
そしてこれを書きながら思い返してみれば、父や兄が"こちら側"に含まれていた記憶は...私にはない。
ゆるやかとはいえ男尊女卑が残る田舎で、女性である母がこれまで生きてくる中では、それが当然で普通のことだったのか。
都市部でひとり立ちして生活している時間のほうが長くなった私にはもうわからない。
それでも相手もすこし面食らっていた様子だったのはわかった。
昔はそれが美徳とされていたのだとしても、やっぱり今のコミュニケーションのしかたとしてはおかしいと思う。
あれから、自分でも無意識なのかわざとなのかわからないが、母と顔を合わせる回数が減った。
...私の母と顔を合わせなければ大丈夫だろうか?
私はそういえば褒められることが極端に苦手だった。賞をとっても、受験に合格しても、売上成績がよくても
褒められて「ありがとう」と言えなかった。
口から出るのは「とんでもないです」「そんなことないです」「全然です」。
さらに心の中は「私でもできることをしただけなのになぜ褒めるのか」どころか「リアクションに困るから褒めないでほしい」という気持ちだった。
社会人10年目くらいになってやっと、当時の上司がこの上ないほど褒め上手でだったおかげで
ようやく「人並みに素直に褒められることができる」ようになったもので、上司にはとても感謝している。
私はきっと「ありがとう」を使うシーンを、家で、身内で、あまり学んでこなかった。
自分の過去を他責にして言い訳することに意味はないが、ただそう気づいたのもその頃だった。
その後、友人・知人にはあらゆるシーンで「ありがとう」を意識的に言うようにしている。
それで変な顔をされたことはないので恐らくおおよそ言うべきタイミングはあっているのだろう。
そして他人とのコミュニケーションはひどく気疲れする。今も苦手だ。
こんな私、もう割と"歳いってる"わけだけれど、まだもうすこし成長できるだろうか?
今の価値観に合った、良いコミュニケーションを息子とともに身につけられるだろうか?
母、息子にとっての祖母がおかしなことを言ったとき、今度は固まっていないで「それは違うよ」と言えるだろうか?
良い母親になれるだろうか。
でも、女はいっこうに下方婚してませんよね。
がんばれ!そうやって向き合ってくれる人が身近にいるってことが、息子さんにとってどんなに心強いことか。失敗しても間違えても、向き合うことから逃げなければ大丈夫だ
うちの親もそんな感じなのですげー分かるw
昔のママ友コミュではそんな振る舞いが最適だったりするのかも。 増田はこれからだろうけど、そんなことなかったよと笑えることを微力ながら祈る。
チコちゃんのママ思い出した https://togetter.com/li/1971403
反面教師にすればいいんだよ