パフォーマンスガールズユニット「9nine」(ナイン)のメンバーとして音楽活動もしている佐武宇綺さん(愛称:うっきー)。曲を歌う側の人間として、曲に含まれている音の表現をもっと体感したい! と「オーディオ」女子を目指すことを決意。オーディオについて学ぶべく、オーディオビジュアルライターの野村ケンジ氏から、厳しい講義を受けることになりました。第1回は、「いい音」とはどんなものなのか解説してもらいます。うっきーがこれまで体験してきた「音」についても、わかる内容になっています。
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曲を歌う側の人間として、曲に含まれている音の表現をもっと体感したい! と「オーディオ」女子を目指すことを決意したうっきー。オーディオについて学ぶべく、オーディオビジュアルライターの野村ケンジ氏から、厳しい講義を受けることになりました
佐武宇綺をチェック!
野村 まず、佐武さんがどのような環境で音楽を聴かれているのか、うかがいたいと思います。いま使われているイヤホンやヘッドホンは何ですか?
佐武 普段からほとんどヘッドホンで音楽を聴いています。最近はMONSTER(モンスター)ですね。「b」というロゴが入っているものを使っています。
昔からヘッドホンが好きで、最初は見た目から入ったんですよ。カラフルでかわいいものを見つけてしまって……。安くて見た目も良かったから、そこからそれで音楽を聴くようになって、そしてヘッドホンが好きになっていきました。新しいヘッドホンを買おうかなと思ったときに、「MONSTERの音がいいよ」って教えていただいて、実はSHUREにしようかどうか迷っていたんですけど、結局MONSTERを選びました。
野村 見た目というのはすごく重要な要素だと思います。嫌な音ではなく、自分にとっていい音であれば、気に入ったものを使えばいいんです。
それでは、ヘッドホンをMONSTERに変えてみてどうでしたか?
佐武 MONSTERは、長時間音楽を聴いていても疲れないんですよ。以前はイヤホンで聴いてることのほうが多かったんですけど、ずっと聴いてると疲れてしまったんです。また、レコーディングするときに、ブースでソニーのスタジオヘッドホン(CD900)を使うんですけど、その音がカチッとしすぎていて歌うときに困っちゃうんですよ。そんなときにMONSTERに出会いました。疲れないし、レコーディングで使っているCD900ともそんなに音が離れてないし……。
野村 それは面白いですね。CD900というヘッドホンは、音がちゃんと出ているかどうか聴くために作られているヘッドホンなんです。ヘッドホンによって帯域バランスが異なります。スタジオのヘッドホンは人の声などの目立つ帯域を盛り上げて、その音の中で余計なものがないのか確認するために作られています。そしてその目立つ帯域は、2kHz~4kHzという人間がいちばん聞き取ってしまう音なんです。赤ちゃんの泣き声などがそうですね。それをさらにヘッドホンで盛り上げているので、聴いていると疲れてしまうんです。
佐武 なるほど。レコーディングすると、すっごく疲れます。
野村 佐武さんはすでにある程度音の違いを聞き分けることができているようなので、音がいいとはどういうこと? という、自分の判断基準を持つといいと思います。その3大チェックポイントが
・解像度
・ダイナミックレンジ
・トランジェント
です。とは言え、オーディオの「いい/悪い」は、好みか好みでないかという感じです。自分はこんな音が好きだという基準で、判断していけばいいと思います。
佐武 なるほど! 自分の好みでいいんですね! でも音って、その違いがはっきりとわかってくるものなんですか?
野村 佐武さんは普通の人とは違って、自分の歌っている声がCDに入っているんです。それをさまざまな環境で聴いて、自分の声がちゃんと聞こえているとか、低音が被さっているとか、そういう基準を持っていれば、いい音/悪い音というのがなんとなくわかってくると思います。簡単に言えば、ライブをやっているその音がそのまま聞こえている──といのが、いい音の条件だと思います。
客席よりもステージのほうが音がいいので、それを実際に聴けるというのはすごく恵まれているんですよ。
佐武 そうかもしれません。客席のほうが少し遅れて聞こえるってのもありますよね。音の返しもありますし……。ステージ上ではダイレクトに聞こえてきますからね。ただ、ライブハウスのような狭い場所だと音がわかりやすいんですけど、広い会場だとわかりづらくて、慣れるのに時間がかかります。
夏に代々木第一体育館で歌う機会があったんですよ。あそこは広くて音が返ってきちゃうんです。だから、自分が聴いている音と、壁に当たって返ってきた音と2つの音を聴いている感覚になってしまいます。そんな環境で歌ったので、すごく難しかったです。イヤモニもしてないし……。ただ、イヤモニのないステージをずっとやっていたので、感覚で歌うことができました(笑)。
野村 イヤモニのないその環境で、リズムをとっていけたってのはすごいですね。きっとこれからも、いい音を聴くことができる環境にいると思うので、その中でどんどん学んでいけばいいでしょう。
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