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急速充電QuickChargeやUSB PDなど大電力機器の普及に必須の技術

世界最小・最高効率のACアダプターを富士通研究所が開発

2015年12月09日 14時44分更新

文● 行正和義 編集/ASCII.jp

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試作されたACアダプター

 富士通研究所は12月9日、新パワーデバイスと制御技術を用いて世界最小クラス、高効率のACアダプターを開発したと発表した。

 試作されたACアダプターは12W出力、本体容積15.6ccと世界最小。さらに世界最高の電力効率87%を実現している。現行の同クラスの製品に比べて体積的には約半分となる。

 現在のACアダプターはスイッチ素子(FET)のON/OFFを繰り返して電圧を変換し、電力を制御している。小型化のためにはON/OFFを決める閾値電圧が低くMHz駆動が可能な適している。富士通研究所では動作抵抗の少ない窒化ガリウム(GaN)高電子移動度トランジスタ(HEMT)を用いたパワーデバイスを採用。スイッチング動作は現在用いられているシリコン半導体パワーデバイス(MOSFET)の10倍の周波数で動作し、動作抵抗も低く抑えられる。

2次側スイッチ素子周辺の電圧と電流の変化(従来技術)

新たにスイッチのタイミング制御して動作抵抗を活かしながら損失を減らすことに成功した

 スマホの充電では5V出力1.2~2.4AのACアダプターが主流だが、最近になって9V/12Vの給電を行なうQuick Charge 2.0、最大20V-5A(100W)給電まで対応するUSB PDなど、消費電力の大きな機器に大容量給電を行なう流れになりつつある。大電力にも関わらず従来ながらのサイズに収まるACアダプターの需要は高そうだ。

 富士通研究所では、さらなる小型化や高効率化を進め、2017年度での実用化を目指すとしている。

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