こんにちは。ぼく編集の西牧です。
前回は、iPad Proを2台使い、見開きで漫画を描いている人がいるというので行ってみたら、なんと寺田克也さんで驚いたというお話でした。うちのライターの四本さんのお知り合いらしいですが、だったら最初からそう言ってほしかったです。
漫画は見開きページで考えるもの。だから漫画を描くにあたって、2台のiPad Proと、Procreateというアプリ、そしてApple Pencilの組み合わせは、寺田さんにとって最高のものなんだとか。しかもモバイル性が高い。海外の個展や日本各地のイベントに引っ張りだこの寺田さんにとって、それも重要な性能のはずです。
ただ、2台のiPad Proを同時に使うことはAppleも想定していません。だから、やればできるとはいえ、実際にはいろんな不都合が生じます。それを寺田さんは工夫で乗り切っているようですが、もっと使いやすくなるよう、各方面にお願いしたいことがあるようです。今回はその工夫とお願いをお聞きいただきます。なお、寺田さんとライターの四本さんは2人とも1963年生まれで、話がものすごく年寄り臭い点はあらかじめご了承ください。
複数接続対応にしてほしい、オレのために
四本 Apple Pencilの問題は、ペアリングだよね。
寺田 そうなんだよ! iPad 1枚にApple Pencil1本しか使えない。まず、これを早急にどうにかしてほしい、オレのために!
四本 あなたのために!
寺田 せめて2本までオッケーみたいな感じにしていただきたいです。
四本 えー、解説しますと、Apple PencilとiPad ProはBluetooth接続ですから、1対1のペアリングです。iPad Proを2台使って左右見開きで描こうとすると、画面を変えるたびにペアリングし直すか、左右それぞれ専用のApple Pencilを用意して持ち替えるしかない。それで2本使ってるんだよね。
寺田 デバイスは同時に1個ずつしかつながらないってね、もはや時代遅れですよ。「時代から遅れてるんじゃないの?」って、そう言う訴求をしたいので、あなたも手伝いなさい。
四本 そんなのAppleに直接言えばいいじゃん。
寺田 えーっ。
四本 あなたくらいの人が言ってきたらね、あちら様だって「ハイわかりました! スミマセンでした!」ってなるでしょうが。
寺田 いやいやとんでもないっす。
四本 とはいえBluetoothはアドホック接続だから厳しいよなぁ、さすがにAppleでも。
寺田 だからBluetoothの規格をバージョンアップして、複数接続に対応してほしいんですよ、オレのために。
四本 あなたのために!
寺田 だってね、ワコムの板タブは、最初から複数のペンを認識するんですよ。もともと絵を描く道具として作られているから。ソフトが対応していると、ペンのデバイスIDを職別して、持ち替えることで筆の種類を替えられる。何本か用意しておくと、こっちは鉛筆でこっちは塗りっていうように。これは絵を描く速さにもつながる。
四本 そこらへんも含めて、Appleは考えてくれよと。
寺田 iPad Proに挿すと一瞬でペアリングできるのは素晴らしいんですよ。前のを解除しなくてもできるしね。充電が速いのも素晴らしいですよ。だからね、あとは複数接続ですよ。複数接続に対応して一体誰が困るんですか。誰も困りませんよ。