「Nutanix Cloud Platform」に基盤導入やワークロード移行支援のコンサルティングをバンドル
Nutanix、ハイブリッド/マルチクラウドの「スターターキット」国内発表
2023年04月28日 07時00分更新
米Nutanixは2023年4月26日、日本国内向けに「Nutanix ハイブリッド・マルチクラウド スターターキット」を発表した。同キットはハイブリッドクラウドプラットフォーム「Nutanix Cloud Platform」を初めて利用する顧客向けのもので、Nutanix Cloud Platformに加えて、プラットフォーム導入やワークロードの移行を支援するコンサルティングサービスがバンドルされている。
主流にハイブリッド/マルチクラウド化を支援するために投入
Nutanix Cloud Platformには、「Nutanix Cloud Infrastructure Pro」と「Nutanix Cloud Manager Starter」が含まれ、これにより、マルチサイトのデジタルリカバリやオーバーレイネットワークの機能に加え、インフラのAIOps(Algorithmic IT Operations)、ローコードによる自動化、データサービスの管理機能などを提供する。
導入と移行支援に関しては、既存環境をV2V移行するための計画の立案やワークショップの実施に加え、「AHVハイパーバイザー」を活用したプライベートクラウドへの移行、「Nutanix Cloud Clusters(NC2)」を活用したパブリッククラウド環境への移行など、移行作業に関わる実証検証から本番移行までをサポートする。
さらに、パートナーに対してもAHVハイパーバイザーや「Nutanix Move」を活用したプラットフォーム移行のトレーニングや、「Nutanix認定プロフェッショナル ― マルチクラウドインフラストラクチャー (NCP-MCI)」資格の取得を支援していく。
Nutanixがスターターキットを提供する背景には、2022年12月~2023年1月に実施した「Nutanix Enterprise CloudIndex」の結果があるという。「Nutanix Enterprise Cloud Index」は、日本を含む全世界のIT部門意思決定者を対象に、クラウド利活用の実態調査を実施したもので、今回で5回目になる。
同調査によると、5年前の2018年調査では「プライベートクラウドとパブリッククラウドのいずれかのみを使用する」という回答者が過半数だったのに対して、今回の調査ではハイブリッド/マルチクラウドへの強い志向が見られた。具体的には「複数の異なるIT環境でワークロードを実行することが必然で、むしろそれが一番メリットがある」と考える企業が94%まで拡大している。
一方で、回答者の85%は「クラウドコスト」をIT管理の困難な問題と考えており、3分の1以上(34%)がそれを「重大な」課題と位置づけている。特にクラウド間のアプリケーション移行は現在、企業の弱点となっており、回答者の86%は「複数の環境間のアプリケーションの移行は、複雑かつ高コストになる可能性がある」と考えているという。
日本における調査結果の特徴としては、56%の日本企業がプライベートクラウドとパブリッククラウドの混在、複数のパブリッククラウド、オンプレミスとホストティングデータセンターの組み合わせなど、複数のIT環境を混在利用していると回答(世界平均は59%)。すべての日本企業が、過去1年間にインフラ間でアプリケーションを移動させており、その理由として、アプリケーションのより良い管理(44%)、管理のアウトソーシング(42%)を挙げているという。
「このように、ハイブリッド/マルチクラウドが主流になりつつある日本国内の急速なIT環境の変化に柔軟に対応するため、今回のスターターキットを発表した。新たなお客様がNutanixを容易に使い始められるよう設計すると共に、パートナーに向けたプラットフォーム移行に関する教育や認定資格取得支援を実施することで、日本国内企業のハイブリッド/マルチクラウド化を積極的に推進していく」(ニュータニックス・ジャパン コーポレートバイスプレジデント 兼 代表執行役員社長 金古毅氏)
「Nutanixデータベースサービス」のパートナーエコシステム拡充も
また同日、ニュータニックス・ジャパンは、Nutanixのパートナーが「Nutanix データベースサービス(NDB)」関連のサービスをより迅速に提供できるよう支援する「Nutanix データベースサービス(NDB)エコシステム プロジェクト」を始動することを発表した。
「Nutanix データベースサービス エコシステム プロジェクト」は、ハイブリッド/マルチクラウド環境下におけるデータベース管理の自動化を実現することでパートナーエコシステムの拡充を目的とした取り組みで、「NDBワークショップ」「NDB早期導入支援コンサルティングサービス」「NDB技術認定資格取得支援」の3つの要素から構成される。
NDBワークショップでは、NDBにより対応可能なデータベース関連の課題や顧客の機会特定に必要なスキルを育成する。
NDB早期導入支援コンサルティングサービスでは、NDBの導入顧客に、データベース活用/管理の課題解決に焦点を当てたコンサルティングを行い、NDBを活用したデータベース展開や運用自動化の実現を支援する。
そしてNDB技術認定資格取得支援では、データベース運用管理者や開発者向けに、パートナーがNDBテクノロジーを理解する上で必要なトレーニングを提供する。トレーニングの受講には、NDBに関する基礎知識を習得する勉強会やNutanix認定プロフェッショナル データベース自動化(NCP-DB)の資格取得に向けたワークショップの機会を提供する。
来日した米Nutanix プレジデント兼CEO Rajiv Ramaswami(ラジブ・ラマスワミ)氏は、Nutanix Cloud Platformの差別化ポイントについて、「アプリケーションをどこででも実行できる柔軟性」と「管理の簡素化」を両立させている点だと説明した。
「お客様は何を求めているか。アプリケーションをどこででも実行したいと考えているのではないか。Nutanixはニュートラルな(中立的な)パートナーとして、AWSでもAzureでも、オンプレミスでもエッジでも、お客様が望む場所でアプリケーションを実行できるようにしたいと考えている。すなわち、単一のシンプルなプラットフォームを提供するのが、Nutanixのユニークなところだ。お客様にアプリケーションをどこででも実行できる柔軟性を提供すると同時に、管理を簡素化している。このあたりが最大の差別化要因だと考えている」(ラマスワミ氏)