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現金・預金のリスク

預貯金は本当に安全な資産なのか?

昔から日本はアメリカなどの諸外国に比べて預金好きな国民であると言われてきました。日本人はコツコツとまじめに働き、堅実に貯蓄するというイメージが根強くあります。

 

では、実際に日本とアメリカの金融資産の内訳はどのようになっているのか確認してみることにしましょう。

 

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アメリカの金融資産の内訳

現金・預金 14.3%
債券 8.9%
投資信託 12.1%
株式・出資金 31.4%
保険・年金準備金 29.7%
その他 3.6%

 

 

日本の金融資産の内訳

現金・預金 55.5%
債券 2.9%
投資信託 3.5%
株式・出資金 6.4%
保険・年金準備金 27.4%
その他 4.3%

 

※日米共に2010年9月末のデータ

日米の金融資産の違い

日米の金融資産の構成を比較すると、アメリカでは、株・投資信託・債券などいわゆる収益性の高い資産がおよそ50%以上を占め、現金・預金は14.3%程度になっています。

 

一方、日本人は一定金額まで元本保証されていて安全性が高いとされる現金・預金が50%以上を占めています。

 

株・投資信託・債券などは13%もありません。この内訳からも分かる通り、やはり日本人の資産は現金・預金が中心となっています。

現金だけ持つことのリスクを考える

しかし、日本人のように現金や預金に金融資産を偏らせてしまって本当にリスクはないのでしょうか?

 

はっきり言ってしまうと、答えは「No」と言わざるを得ません。

 

なぜなら現金や預金には、つねに円安にともなうインフレのリスクがあるからです。

 

 

例えば円安になると、生活必需品を輸入に頼っている日本は国際的な購買力が低下して、トウモロコシや小麦・原油などの調達コストが高くなってしまいます。

 

そして、この輸入コストの増加が商品価格に転嫁されれば、物価の上昇(インフレ)という形でお金の価値が下がってしまうことになります。

インフレに強い資産は?

このようなインフレに強いといわれているのが株式や債券などです。過去のデータから、株式や債券に投資した場合、インフレと同等かそれを大幅に上回るリターンが証明されています。

 

確かに株式や債券には元本保証がないなどリスクが伴います。しかし、安全と言われている預金でもインフレというリスクが存在します。

 

現在のような円高が永久に続くわけではありません。

 

今後は、リスクを避けるのではなく、リスクをコントロールできるスキルを身に着ける必要があります。