小学生向けプログラミング教育を手掛けるCA Tech Kidsが開催した保護者・教育関係者向け講演会の模様をリポートする。2人の小学生によるプレゼンも行われた。
子ども向けプログラミング教育の重要性はますます高まっている── 小学生向けプログラミング教育を手掛ける「CA Tech Kids」が2014年1月25日に開催した「保護者様・教育関係者様向け講演会」では、小学生の子どもを持つ保護者に向けて、このようなメッセージを繰り返し語り掛けた。
CA Tech Kidsは2013年に設立されたばかりの会社だ。サイバーエージェントと、中高生向けプログラミング教育を手掛ける「Life is Tech」が合弁で設立した。株式比率はサイバーエージェント65%、Life is Tech35%である。
同社の主な活動は夏休みなどに行う3日間のキャンプ「Tech Kids CAMP」と、週1回のスクール「Tech Kids School」である。子ども向けのハッカソン「Tech Kids Hackathon」などのイベントも行っている。教材として取り上げるプログラミング環境は、子ども向けプログラミング環境「Scratch」やObjective-C(iOSアプリ開発言語)、JavaScript、簡易型ゲーム開発環境「GameSalad」である。
同社のスクールの現場では、子どもが自分で読み進められるテキストを用意し、それに3〜5人の子どもにつき1人の「メンター」と呼ぶ指導者が補佐することで子どもが学ぶ環境を作っている。
この日の説明会では、保護者や教育関係者を主な対象としていることから、「プログラミングとは何か」「なぜプログラミング学習が重要なのか」を中心に説明した。
プログラミング教育では、公教育に先行して、NPO法人や民間企業がプログラミング教育の取り組みを進めている段階だ。今回は、民間企業のCA Tech Kidsがどのような考えで教育プログラムを提供しているのかをお伝えする。
講演会の冒頭、CA Tech Kidsの親会社であるサイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏があいさつした。
CA Tech Kidsは、同社の「社会貢献」としての意味付けを持つ事業として構想された。その背後には、「われわれは技術者が6割を超える会社なのだが、世の中にエンジニアは不足している」との認識がある。「21世紀はITが基幹産業。この人材を増やさないといけない。アップル、グーグル、フェイスブックのような会社の創業者はエンジニア。こうした会社が生まれてこないと」(藤田氏)。
藤田氏は続けて「プログラミング能力は、英語と同じかそれ以上に重要。優秀なプログラマーが社会的に重用される時代がやってくる」と語った。また、同社が奨学金制度を検討していることにも触れた。
続いて、サイバーエージェント 人事本部 採用育成部テクノロジーチーム 松山雄太氏が講演した。松山氏はプログラマー出身だが、現在は人事本部でエンジニアの採用・育成を担当している。
「プログラミングとは? 命令です。コンピューターは人間と違って、言われた通りのことしかできません」と、松山氏はコンピューターの基本から話を始めた。「人にもコンピューターにも分かる言語が『プログラミング言語』です。その種類は250種類以上あって、用途別にさまざまな言語が使われています」(松山氏)
その後、おなじみのWebサイトを開き、Webブラウザーの開発者ツールを使ってCSSを書き換えて背景色を変えたりする様子を見せ、WebページもHTML、CSSという一種の言語で作られていることを説明した。
また、Webサイトを手軽に作れるサイト「CodePen」を開き、ライブコーティングでJavaScriptによる簡単なプログラムを動かして見せた。
松山氏は締めくくりに、プログラムを始める重要性として、「ものづくりに関心を持つ」「論理的思考力が伸びる」「自己承認欲求を満たす手段を身に付けられる」「これからの時代には、必須のスキル」の各点を挙げた。
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