スズキ独占に待った!トヨタ・ダイハツがトールワゴンに参入したワケ(1/2)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:和田清志
背景には、軽の存続に対する危機感がある?
ここへきて、いきなり、コンパクトなトールワゴン分野が活況を呈してきた。
なんと、ダイハツがトール/トールカスタム、トヨタがルーミー/タンク、さらにはスバルがジャスティと5モデルが一斉に発売された。これらすべてのクルマは、ダイハツが開発と製造を行い、トヨタとスバルにOEM供給するものだ。
トールワゴンといえば、これまではスズキ ソリオの独占市場だったが、なぜそこに、トヨタグループが一気に攻め込んできたのだろうか?
その理由が垣間見える文章が、ダイハツが11月9日付けで配布したトール/トールカスタム発売に関するプレスインフォメーション(広報発表資料)にあるので、以下に紹介する。
~ダイハツは、今後も需要が高まるスモールカー市場において、ダイハツが軽自動車で培ってきた強み(『軽で開発した技術』と『ユーザーニーズに合わせた生活密着型の商品提案』)を小型車に展開することで、軽自動車を基点としてスモールカー全体のレベルアップを目指す~
この文章の行間を読み解くと、『軽自動車の車両規格が廃止になった場合に備えて、これまでの実績を最大限に活用する』という側面が見えてくる。
事実、トール等の公道試乗会に参加した際、ダイハツの開発関係者と懇談すると「我々は平素から、軽自動車が将来的になくなることも想定して、新製品を企画していることは確かです」と、答えている。
将来的には、ソリオもダイハツからのOEM供給になってしまうのか?
軽の存続に本格的な危険信号が灯ったのは、2013年の年末だ。消費税と軽自動車税が相次いで引き上げになることが決まり、また超小型モビリティが量産化に向け全国各地で実証実験が進んでいた。その2013年末、スズキハスラーの新車発表会で、スズキの鈴木修会長が、軽の存続について厳しい見解を、苦笑いしながら語ったのが印象的だった。
それから2年10ヵ月経った2016年10月、スズキとトヨタが業務提携に向けた提携を開始すると発表。また2016年12月に入り、トヨタがパワートレインカンパニーの事業計画として、ハイブリッドを主体として、日本を含めた世界市場でパワートレインを刷新することを公表した。
こうした各方面でのこれまでの流れを鑑みると、トヨタとダイハツがトールワゴンに参入した理由について、次の解釈が成り立つ。
それは、“軽の車両規格が廃止になった場合に、日本国内で最も大きなセールスボリュームになる可能性が高いカテゴリーへの下準備”だ。
また、ダイハツは“ミライースを親”として、東南アジアでのリッターカーを含めた、車体や部品の一括企画を進めてきた。
一方で、スズキも“新型アルトを親”とした(製品)企画や生産管理を進めている。そもそも、ミライースも新型アルトも『単なる軽』という発想ではない。ダイハツ、スズキの両社によって、世界戦略においては“日本ガラパゴス車の軽がベース”というより、“世界的に対応可能なリッターカーをベース”としたほうが、企画・調達・製造の面でのコスパが良いのは当然だ。
そうなると、さらなるコスパをあげるには、ダイハツとスズキがリッターカーを共同開発することが考えられる。その場合、今回の5モデルがソリオを含めた6兄弟になる可能性がある。
その際、技術的に関する課題になるのは、当然ながらスズキが独自開発したハイブリッドと、トヨタのハイブリッドの統合をいかに進めるのか、である。
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