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スター・ウォーズ完結へ、エイブラムス監督が心境語る。映像面の大きな進化も
2019年12月13日 07:30
12月20日より全国公開される「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」。物語が完結する注目の内容が明かされる日を前に、J.J.エイブラムス監督に対してインタビューを実施。シリーズを自身が完結させることへの思いや、映像へのこだわりなどについて聞いた。
完結は「悲しいことじゃない」
前日12日に行なわれた来日記者会見では、レイ役のデイジー・リドリー、フィン役のジョン・ボイエガ、ポー・ダメロン役のオスカー・アイザック、そしてC-3PO役のアンソニー・ダニエルズら豪華メンバーが集い、彼らの作品への思いを語っていた。
そうした中で、スカイウォーカー家の物語がこれで完結することに対し、公開を喜ばしく思う反面、今回が最後の仕上げとなることへの寂しさも覗かせていた。
ファンとしても、作品を観たく思うと同時に「まだずっと見続けていたい、終わって欲しくない」という気持ちも持っているのではないだろうか?
エイブラムス監督は完結を寂しく思うファンに対するメッセージとして「悲しむべきストーリーではなく、感動的な内容。映画は、ロマンティックで面白くてエキサイティングなものであり、重要なのはそのバランス。感動できる部分がありながら、悲しい部分がある。そのバランスが良く取れていて、楽しめるアドベンチャー映画だ」との言葉をかける。
自身の手で物語を完結させることへの心境については「42年に渡る物語の、おしまいを決めるのは難しい。それはチャレンジだったが、チャンスでもあった。大きなチャレンジだからこそやりがいがあると感じた」と語る。
「脚本を書いていると、まるで映画館で見ているようにシーンが見える、息をのむ瞬間がある。登場するキャラクターに対して、ファンに対しての責任は大きなものがあるが、我々にも大きな情熱がある。それはジョージ・ルーカスが作った精神でもあり、ストーリーテリングの上での責任もある。進行していく中で、さらにいいアイディアが生まれ時には組み込んで、色々と試した」と結末に自信を見せた。
ジョージ・ルーカスとのやり取りについては「彼に最初に会った時、どういう意見を持っているか聞いたが、『こんなストーリーにしてほしい』とは彼は言わなかった。彼が作ったものを、私が継続できるのは素晴らしいこと」とした。ちなみに、ルーカスが公開を前に作品を観た感想については「まだ聞いていないよ(笑)」とのこと。
レイアとして再び登場する故キャリー・フィッシャーの存在の大きさにも触れ、キャスト変更ではなく「撮りためていた素材をできるだけ使って組み込んでいくというプロセスを取った」と説明。
フィッシャーの人柄については「時には自虐ネタを言ったり、すごくユーモアのセンスを持つ人だった。撮影中、彼女がいないのはとても寂しい経験。でも、キャリーが生きていたら、これは認めてくれるだろうという作品にしたつもり」とした。
映像の進化も“感じ取ってもらえる”仕上がり
スター・ウォーズは、42年という歴史の中で、新しい映像技術なども次々に導入してきたことでも象徴的な作品。今作での映像や音響についての進化を尋ねたところ、エイブラムス監督は「ILMが過去最高の仕事をしてくれたと思っている」と答える。
一方で「“ニュースクール”(最新技術/スタイル)だけでなく、“オールドスクール”な部分も見どころ。今はパペットを使う技術がものすごく進んでいて、例えば(キャラクターの)マズカナタは、『フォースの覚醒』の時はCGだったが、今回は“現場に居た”」とのこと。
「カメラのレンズから、音声のミキシングまで、映像や音響は全てにおいて新しい技術を使っている。それは、いずれも観客にとって直接は見えない部分だが、作品を観ると“何か感じていただける”と思っている」とコメント。高画質で楽しみたいファンにとっても、クオリティの高さに期待できそうだ。