Baatarism氏が今回の円高介入について書かれているが、その中でお馴染みの「実質為替から見れば円高ではない」論が引用されている。そこで引用されているのは伊藤隆敏氏だが、その直後に池田信夫氏も同様のことを述べている。 Baatarism氏が指摘しているように――あるいは小生が以前指摘したように――こうした主張の問題点は、デフレという病に経済が罹患している中での通貨高を、経済の好調に伴うインフレ時における通貨安と同等に見做している点にある。喩えて言うならば、低体温症に陥った人に対し、外界の温度と体温の差は以前に比べ縮小しているのだから、以前よりも寒さに耐えられるはずだ、と言っているようなものである。 あるいは、そういう論者の目には、今の日本経済がMr.フリーズのように映っているのかもしれない。即ち、一度極端な冷凍状態に曝されたため、冷凍下で生きるのが当然な体質になった、というわけだ。従って