首都圏の大学に通う20歳の鈴木莉子さん(仮名)は、中学生のころ、妹の凜さん(19歳、仮名)から「パパから性暴力を受けている」と打ち明けられた。その後も延々と被害は続いていた。莉子さんは、父への恐怖との6年にわたる葛藤の末に勇気を出して警察に通報、すぐに父は逮捕されたが、これで一件落着とはならなかった。凜さんは事情聴取された警察官から耳を疑うような言葉を投げかけられ、莉子さんは自分が警察に通報したことを父に知られることに日々おびえていた。性虐待の被害者と家族は、事件後も苦しめられ続ける。(共同通信=宮本寛) 父親の逮捕後、姉妹は性被害者などを一時的に匿うシェルターで生活を始めた。しかししばらくして、スタッフが凜さんの様子がおかしいことに気づいた。「補充捜査のため」として警察の事情聴取を受けた直後から食欲が減退し、表情もくもりがちになって口数が減ったのだ。 何があったか尋ねると、凜さんは事情聴
