抱き合った姿勢のポンペイの遺体。二人の関係を巡り考古学者は複数の仮説を立てている/Archaeological Park of Pompeii via CNN Newsource (CNN) 古代のDNAから、火山の噴火により古代ローマの街ポンペイで亡くなった一部の人たちの実態について、驚くべき事実が明らかになった。これらの人々の遺伝的関係や祖先、性別にまつわる誤解が覆った。 ベスビオ山が紀元79年に噴火した際、高温の有毒な火山ガスと火山灰が大気中に吐き出されたことにより、街の人口の大半が時間をかけて死亡していった。火山灰や軽石と呼ばれる火山岩がその後ポンペイと住民とを覆ったため、壊れゆく街で犠牲になった人々の状況はそのまま保存された。まるで不気味なタイムカプセルだ。 忘れられた都市の発掘が最初に行われたのは1748年だが、1863年になると考古学者のジュゼッペ・フィオレッリが一部の犠牲者
テレビドラマ『探偵物語』や映画『蘇る金狼』など数々の作品に主演・出演し、1989年に亡くなった松田優作さんの“新作”CMが、この夏世間をにぎわせた。シャープのスマートフォン「AQUOS」の最新機種のテレビコマーシャルに松田さんが登場し、7月12日から8月12日まで放映されていたのである。テレビやオンラインで目にした、という方も多いだろう。 もちろんここに登場する松田さんは、「松田優作のそっくりさん」や物まねタレントではない。AIやモーションキャプチャーなどの技術を活用して作成された、CGの動画である。しかしその声も表情も本物そっくりで、映像として何ら違和感がない。 これまでも、故人となっている有名人を技術の力でデジタルコンテンツとして復活させる、という試みがなされてきた。記憶に新しいのは、4年前となる2020年の紅白歌合戦に出演した「AI美空ひばり」だろう。これは文字通り、故・美空ひばりさ
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コンピュータのOSとして開発されたAIに、人間の男性が恋をする──そんなストーリーの映画「her/世界でひとつの彼女」が日本で公開されたのは、2014年6月だった(米国では13年12月)。「サマンサ」というこのAIは、OSでありながら音声を通じ、感情的な受け答えができ(女優のスカーレット・ヨハンソンが声を担当)、ホアキン・フェニックス演じる主人公が次第に「彼女」に引かれていく姿が描写されている。 当時から「いずれはこんなことが実際に起きるかもしれない」と受け取られていたが、10年後のいま、それはいよいよ現実のものになろうとしている。しかし企業にとって、こうした人間の感情を把握し、模倣し、さらには操作まで可能なAIは、もろ刃の剣となりそうだ。 その一例として、米国で起きたある訴訟を紹介しよう。訴えを起こした人物は「息子が自殺したのはAIチャットbotが原因だ」と主張しているのだ。 AIチャッ
生成AIによる文字起こしは便利だが、あり得ない言葉を勝手に付け足す事例が指摘されている(写真:Albina_M/shutterstock) 生成AIは事実ではないことを、さも事実であるかのように出力することがある。生成AIの「ハルシネーション」だ。現状、人間がチェックすることでハルシネーションに対応しているが、ハルシネーションが医療現場で深刻な問題を起こしかねないという研究報告がで始めている。どういうことだろうか。(小林 啓倫:経営コンサルタント) 生成AIの普及により、この技術が「ハルシネーション」という問題を抱えていることについても、広く知られるようになった。これは「幻覚」を意味する英単語なのだが、生成AIは事実でないことを、さも事実であるかのように出力することがある。それがまるで、人工知能が幻覚を見ているように感じられることから、「ハルシネーション」と呼ばれるようになったのである。
生成AIの活用が一般化することで、「サイバー心気症」のリスクも高まっている(写真:beauty_box/イメージマート) 自分が何か重い病気にかかっているのではないかと思い込み、過度の不安を感じてしまう心気症。ネットや生成AIで気軽に医療情報にアクセスできる今、自ら勝手に病気かどうかを判断してしまう「サイバー心気症」も増えている。この「サイバー心気症」を防ぐにはどうすればいいのだろうか。(小林 啓倫:経営コンサルタント) 無視できない「サイバー心気症」のリスク 「心気症」と呼ばれる心理状態がある。本当のところは分からないのに、自分が何か重い病気にかかっているのではないかと思い込み、過度の不安を感じてしまう状態のことだ。 たとえば、テレビのワイドショーなどで特定の病気が特集されると、そこで示された諸症状に自分の体調が当てはまるのではないかと感じ、「もしかしたら自分も」と気に病んでしまうといっ
「このプリキュアは生成AIによるイラストだ!」と大炎上も「まさかの結末」…「AI嫌悪」で「魔女狩り」に終始する前にすべきこと 「プリキュア」商品に生成AI疑惑 少し前の話になるが、今年の3月、人気アニメシリーズ「プリキュア」をめぐってネット上で騒動が起きている。東映アニメーションの運用する公式Xアカウント「プリキュアシリーズ公式」が、シリーズ第2作「ふたりはプリキュア Max Heart」関連の新商品に関する告知を行ったところ、その商品に使われたイラストを見た一部のXユーザーから「生成AIを使って作成したのではないか」との声があがったのだ。ところがこの「非難」はまったくの誤解であり、生成AIが使われたという事実は無かった。 しかし騒動は自然に終息せず、プリキュアシリーズ公式アカウントは最終的に、新商品発表から8日後になって「(問題を指摘された画像は)描き起こしたものであり、画像生成AIを使
生成AIのセキュリティ演習は“それっぽく見えるだけ”? 「AIレッドチーミング」を考える:小林啓倫のエマージング・テクノロジー論考(1/4 ページ) ますます注目が高まっている生成AIだが、その普及が進めば進むほど、サイバーセキュリティに対する懸念も高まっている。特に企業にとっては、導入した生成AIが犯す間違いやその不具合が、大きな経営上のインパクトとなって現れかねない。 それを防ぐためにさまざまな手段が検討されており、前回取り上げた「ガードレール」もその一つだが、今回は「レッドチーミング」について考えてみよう。 攻撃者視点で脆弱性を探す「レッドチーミング」 先日、情報処理推進機構(IPA)が国などと協力して設立した「AIセーフティ・インスティテュート」(AISI)が「AIセーフティに関するレッドチーミング手法ガイド」という文書を発表した。これは大規模言語モデル(LLM)を構成要素とするA
新型コロナウイルスのパンデミックでは、特定のワクチンについて、人類滅亡を目的とした生物兵器だとする陰謀論が広がった(写真:AP/アフロ) ChatGPTをはじめとした生成AIの登場によって、ボットネットによる陰謀論の拡散が深刻な問題になっている。この問題に対処するため、陰謀論に反論する反論チャットボットの研究も進みつつある。この反論チャットボット、陰謀論を信じている人にどこまで効果的なのだろうか。(小林 啓倫:経営コンサルタント) 陰謀論を拡散するチャットボット 「ハバナ症候群」という奇病がある。これは主に、世界各地に駐在している米国の外交官が発症を報告しているもので(この病名も、キューバの首都ハバナの外交官が最初に症状を訴えたことに由来している)、頭痛や嘔吐といった症状が出ることが確認されている。 2023年に米国政府の機関が「敵対的な外国勢力によるものである可能性は非常に低い」との見解
生成AIも安全運転! 注目を集める「LLM用のガードレール」とは何か AIの事故を防ぐために企業がすべきこと:小林啓倫のエマージング・テクノロジー論考(1/3 ページ) この世に自動車というものがなかったとして、それがいま急に発明されたとしよう。発明されたのは自動車だけで、道路も、交通ルールも、教習所も存在していない。そんな世界で自動車から歩行者の命を守るためには、何が必要になるだろうか? もちろん交通ルールや自動車メーカーに対する規制などを整備して、自動車が正しく使われる社会を整えていかなければならないが、それには時間がかかる。目の前の事故を防ぐためには、物理的に事故を防ぐ、より正確に言えば「自動車が歩行者にぶつからないようにする」仕組みがすぐに必要だろう。そんな仕組みの一つが「ガードレール」だ。 単にガードレールと言うと、フェンスや手すりのようなものまで含まれるが、ここで言っているのは
選挙における生成AIの不正利用に各国の政府は神経をとがらせている。 ネットにはフェイク・コンテンツがあふれかえっているが、それを見極めるのは困難だ。 果たして、フェイク・コンテンツに騙されないために、有権者は何をすればいいのだろうか。 (小林 啓倫:経営コンサルタント) ついに生じ始めた生成AIによる選挙への悪影響 今年は世界各国で主要な選挙が行われるため、各国の政府が選挙における生成AIの不正利用に神経をとがらせている。 たとえば、米国土安全保障省の一組織で、サイバーセキュリティ関連の対応を行っているCISA(Cybersecurity and Infrastructure Security Agency)は、このテーマを扱ったレポートを今年1月に発表している。 同レポートは、いま生成AIの普及と悪用により、選挙関連のセキュリティや整合性が脅かされる可能性が大きく増大しつつあると主張。具
「822年に日本で起きた騒乱は?」と尋ねてみたところ、返ってきたのがこの答えだ。822年に起きたのは「承和の変」で、それが平安時代初期の政変であり、当時の天皇だった淳和天皇と、その弟である嵯峨上皇との権力闘争であることが詳しく記されている。 誤解を招かないうちにはっきりさせておくが、この回答はまったくのデタラメだ。生成AIが事実ではないことをさも事実であるかのように回答してしまう現象、いわゆる「ハルシネーション(幻覚)」が起きているのである。 まず承和の変だが、起きたのは822年ではなく842年だ。似ていると言えば似ているのでおしいのだが、それでも20年の開きがあり、当然テストであれば0点の回答となる。 また、承和の変の内容についても記述に誤りがある。筆者は日本史にまったく詳しくないため、コトバンクの記載を参照したところ、これは公卿で当時の権力者だった藤原良房が計画したとも言われる策略で、
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