ウェアラブル、体内埋め込み型機器、遠隔医療などの技術は、医療業界に破壊的変化をもたらす可能性を秘めている。医者と患者の関係が一変し、業界外から多数のプレーヤーが参入し、収益構造が変わる――こうしたシナリオがすでに進みつつある。 医療は病院を飛び出す 医療を受ける場所は診療所か病院のみ、という概念は数年後には時代遅れになっているだろう。ウェアラブル技術、インプラント(体内埋め込み型)機器、そしてスマートフォンのアプリで継続的なモニタリングが可能になり、健康状態を毎日24時間どこにいてもデジタル画像化でき、どこからでもリアルタイムでそれにアクセスして分析できるようになる。 診療室の外での医療を後押しする要因は、データ収集だけではない。テレメディスン(遠隔医療)、在宅診断、そしてリテールクリニック(スーパーマーケットや薬局などに併設されている簡易診療所)の普及に伴い、生活の場や職場で治療を受ける
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