近代英語期英訳聖書における未来表現の変遷 -ギリシア語迂言未来表現μέλλω +inf.の訳語を通じて-
近代英語期英訳聖書における未来表現の変遷 -ギリシア語迂言未来表現μέλλω +inf.の訳語を通じて-
今回は、英語の「母音弱化」のお話です。ご存知の通り、英単語にはアクセント(強勢)があります。英語の勉強で、アクセントの位置を一生懸命覚えた記憶のある方も多いかと思います。英語ではアクセントのある音節の母音は強く、長く、明瞭に発音されるのですが、アクセントの無い音節の母音は弱く、短く、不明瞭に発音されます。その結果、多くの「アクセントの無い音節」の発音が、結局前回お話した曖昧母音[ə]として発音される事になります。英語の辞書の発音記号を、ぜひ確認してみて下さい。 以下の単語を見てみましょう。アクセントの位置を「´」で示してあります。 アクセントが無い音節での弱化母音 [ə] → ㅓ bálance, mánual, sálad, díet, túnnel, compúter, bádminton バランス、マニュアル、サラダ、ダイエット、トンネル、コンピューター、バドミントン 밸런스, 매뉴
今回のお話は、第2回のお話の「補足」です。今回のお話は知らなくても韓国語学習には困らないのですが、前回紹介した対応規則が「なぜそうなるのか」という所まできちんと理解しておきたい人のために、発音記号で[ɑ][æ][ʌ][ə]と書かれる英語の4つの母音について、少し解説しておきましょう。これらは実際はみな違う母音なのに、母音の数が5個しかない日本語の耳では、全部「ア」に聞こえてしまうわけですね。 ◆ 日本語で「アー」になる ar [ɑː] → ㅏ ar と書く「アー」は、[ɑ]が長くなった[ɑː]という母音です。[ɑ]は、日本語の「ア」や韓国語の「ㅏ」に近い母音で、大体同じと考えてかまいません(微妙に「オ」が混じったような音なのですが)。これは韓国語の耳でも普通に「ㅏ」に聞こえますので、「ㅏ」で受け入れます。 ◆ 日本語で「ア」になる a [æ] → ㅐ 次に、それ以外の a
前回お話したように、「英語の正確な発音」や「発音記号」に苦手意識がある人でもご安心下さい。単語のスペルで大体分かりますので。逆に、この韓国語の勉強を通して英語の発音が上達するかもしれません。 さあ、「習うより慣れろ」で以下のまとめを御覧ください。 ◆ ⽇本語では「ア」になる英語の4つの⺟⾳[ɑ][æ][ʌ][ə] 日本語で「アー」になる ar [ɑː] → ㅏ card, apartment, party, guitar, target, marketing カード、アパート、パーティー、ギター、ターゲット、マーケティング 카드, 아파트, 파티, 기타, 타겟, 마케팅 日本語で「ア」になる a [æ] → ㅐ (cf. 「キャ」「ギャ」) dance, jam, gap, camp, battery, taxi, patte
内容 1066年のノルマン征服によって破壊的なダメージを受けた英語は、300年の時を経て復権し、新たな時代の精神を吸収して大きく変貌した。現代の英語は、自然論理に基づく大胆かつ用意周到な文法を備えている。様相は一変した。そんな中でも昔から変わらない精神が英文法を貫いているとすれば、それは何か。新生の過程で英語は何を捨て、何を残し、何を得たのか。本書では英語の外面史と内面史を追いながら、これらの問いへの答えを模索する。 目次 第1章 紀元前7世紀からノルマン征服まで 第2章 古英語 第3章 百年戦争と英語の復権 第4章 中英語 第5章 ルネサンスから1900年まで 第6章 近代英語 第7章 現代英語
追記 この記事は、以下のYahoo!ニュースの記事の下書きです。 ほとんど同じですが、Yahoo!ニュースのほうは、ポイントを1点追記している点、および、Yahoo!ニュースのほうが、全体的にマイルドな表現におさえている点が違います。 news.yahoo.co.jp 「日本の英語オブザイヤー2022」が決定~和製英語部門は「ライバー」、「伝わらない英語」部門はHumishige Naka body~ 「日本の英語オブザイヤー2022」なるものが、「日本の英語を考える会」によって発表されたようです。 タイトルからはわかりづらいですが、日本(人)の英語の誤用で2022年を象徴するものを発表するという趣旨のようです。それにしては、2022年とは関係がなさそうなもの、誰も使って(誤用して)なさそうなもの(Humishige Naka body なんて文字列を本当に見たことあります?)が受賞してい
お断り:この記事は、2年前のヤフーニュース記事をもとに、一部に加筆修正をしたものです。 怪しい英語力ランキングの季節 11月は、英語教育関係者にとって頭が痛いニュースが流れる時期です。 それは、「日本の英語力は世界で××位!また下がった!えらいこっちゃ!」というニュースです。 なぜ11月かといえば、その年の「EF英語能力指数」が発表されるのがこの時期だからです。 今年も、2022年版のランキングが発表されましたが、ここ(本文内)には順位は書かないので、ググるなどして調べて下さい。 「EF英語能力指数」と聞くと何やら権威がありそうです。英語で EF English Proficiency Index と書かれるともっと凄そうに聞こえます。しかし、実際の作りは、以下に説明するとおり、かなり雑です。巷には怪しいランキングが溢れていますので「お遊び」でネタにするならまだわかりますが、大手メディアが
昨日『中高生の基礎英語 in English』の9月号が発売となりました.連載「歴史で謎解き 英語のソボクな疑問」の第18回は「なぜ英語には類義語が多いの?」です. 英語には ask -- inquire -- interrogate のような類義語が多く見られます.多くの場合,語彙の学習は暗記に尽きるというのは事実ですので,類義語が多いというのは英語学習上の大きな障壁となります.本当は英語に限った話しではなく,日本語でも「尋ねる」「質問する」「尋問する」など類義語には事欠かないわけなので,どっこいどっこいではあるのですが,現実的には英語学習者にとって高いハードルにはちがいありません. 英語に(そして実は日本語にも)類義語が多いのは,歴史を通じて様々な言語と接触してきたからです.英語にとってとりわけ重要な接触相手はフランス語とラテン語でした.英語は,ある意味を表わす語をすでに自言語にもって
英語は、文学、映画やドラマ、コメディーや歌などに楽しく触れながら学ぶと、習得しやすくなります。連載「文学&カルチャー英語」では、シェイクスピア研究者で大学准教授、自称「不真面目な批評家」の北村紗衣さんが、英語の日常表現や奥深さを紹介します。今回のテーマは、シェリダンによる18世紀の戯曲『恋がたき』の登場人物が由来となった言葉「malapropism(マラプロピズム)」です。 シェリダンによる18世紀の戯曲『恋がたき』You have no more feeling than one of the Derbyshire putrefactions! The Rivals, 5.1.217-218 (= Act 5, Scene 1, Lines 217-218) このセリフは、1775年に初演された、アイルランド人劇作家リチャード・ブリンズリー・シェリダン(Richard Brinsley
英語は、文学、映画やドラマ、コメディーや歌などに楽しく触れながら学ぶと、習得しやすくなります。連載「文学&カルチャー英語」では、シェイクスピア研究者で大学准教授、自称「不真面目な批評家」の北村紗衣さんが、英語の日常表現や奥深さを紹介します。今回のテーマは、イギリスで人気のクリスマスソング「フェアリーテール・オブ・ニューヨーク」の歌詞と、罵倒語の歴史です。 ※テキスト中のリンクが表示されない場合は、オリジナルサイト https://gotcha.alc.co.jp/entry/20200221-kitamura-literature-culture-8 でご覧ください。 ※この記事では説明の必要上、差別語や罵倒語を記しています。 イギリスで最も人気のあるクリスマスソング今回は、イギリスのロックバンド、ザ・ポーグス(The Pogues)のクリスマスソング「フェアリーテール・オブ・ニューヨーク
英語は、文学、映画やドラマ、コメディーや歌などに楽しく触れながら学ぶと、習得しやすくなります。連載「文学&カルチャー英語」では、シェイクスピア研究者で大学准教授、自称「不真面目な批評家」の北村紗衣さんが、英語の日常表現や奥深さを紹介します。今回のテーマは、2019年に英語辞書『メリアム・ウェブスター』で「今年の単語」に選ばれ、日本でも話題になったtheyと、theyのように単数でも使われるweです。 皆さん、こんにちは。 12月末に公開した シェイクスピア英語の記事 でこの連載は終了する予定だったのですが、うれしいことに読者の方々からの反応が良かったため、おまけとして3回、「単語編」として連載を続けることになりました。 代名詞theyとweの単数としての用法今回は、見慣れないかもしれませんが、知らないと誤読してしまう可能性が高い代名詞の用法の話をしたいと思います。 扱う代名詞は、theyと
英語は、楽しい文学や映画、コメディーなどに触れながら学ぶと、習得しやすくなります。具体的な作品を取り上げて、英語の日常表現や奥深さを、シェイクスピア研究者で大学准教授、自称「不真面目な批評家」の北村紗衣さんが紹介します。連載「文学&カルチャー英語」の第6回は、現代の英語圏の文化や社会を知るのにも欠かせない、イギリスの劇作家・詩人のシェイクスピアです。 シェイクスピア劇入門には「代名詞」と「リズム」この最終回では、私の専門であるウィリアム・シェイクスピアを扱おうと思います。 文法的に難しい文章を取り上げるというよりは、ここまでお付き合いくださった皆さんがシェイクスピアを英語で読もうというとき、楽しむために気を付けていただきたいポイントを2つ、書いてみたいと思います。 それは、 代名詞とリズム です。 シェイクスピアのせりふは相撲のラジオ中継シェイクスピアについて私がよく聞かれることとして、「
英語は、楽しい文学や映画、コメディーなどに触れながら学ぶと、習得しやすくなります。具体的な作品を取り上げて、英語の日常表現や奥深さを、シェイクスピア研究者で大学准教授、自称「不真面目な批評家」の北村紗衣さんが紹介します。連載「文学&カルチャー英語」の第5回は、単語や構文は難しくないのに理解しづらいジョークです。 読解が最も難しいのはジョーク今回はちょっと趣向を変えて、文法や表現はそんなに難解ではないものの、英語の読解としては最もハイレベルだと私が考えているものを紹介したいと思います。それはジョークです。 ジョークは時事問題を扱っていたり、言葉遊びが含まれていたりする ので、相当に英語の運用能力が高い人でもとっさには理解できないものの方が多いと思います。 この記事では、最近の英語のジョークを幾つか取り上げて、意味を解説します。 意味が分かっても笑えない?スコットランドのエディンバラで毎年、開
炭鉱町で育った少年がバレエダンサーを目指す『リトル・ダンサー』は、1980年代、炭鉱閉鎖に揺れるダラムの町を舞台にしています。 ジェイミー・ベル演じる主人公の少年ビリー・エリオットは、炭鉱労働者の家庭の息子です。父ジャッキーも兄トニーも、炭鉱の閉鎖に反対するストライキに参加しています。 ビリーはひょんなことからバレエに関心を持ち、バレエのレッスンを行っているウィルキンソン先生から踊りを習うことになります。 ビリーには才能があることが分かりますが、伝統的な男らしさに誇りを持つジャッキーやトニーはバレエに偏見があり、ビリーの夢をなかなか認めてくれません。 さて、ビリーの将来は一体どうなるのだろうか、というお話です。 詳しいことは私が以前書いた 別サイトの記事 もご参照ください。 子どものせりふにもifのない仮定法の文が登場子どもが主人公の映画だから、そんなに難しい表現はないだろうと思うかもしれ
I could have given you a lift down.の意味は?【北村紗衣:アガサ・クリスティーを読み解く】 英語は、楽しい文学や映画、コメディーなどに触れながら学ぶと、習得しやすくなります。 具体的な 作品を取り上げて、英語の日常表現や奥深さを、シェイクスピア研究者で大学准教授、自称「不真面目な批評家」の北村紗衣さんが紹介します。連載「文学&カルチャー英語」の第3回は、推理小説の名手、アガサ・クリスティーの有名な戯曲です。 ※テキスト中のリンクが表示されない場合は、オリジナルサイト< https://gotcha.alc.co.jp/entry/20191108-kitamura-literature-culture-3 >でご覧ください。 世界の英語学習者に人気のアガサ・クリスティー大学ではミステリーを教えないと一部で思われているようですが、 アーサー・コナン・ドイルや
英語は、楽しい文学や映画、コメディーなどに触れながら学ぶと、習得しやすくなります。具体的な作品を取り上げて、英語の日常表現や奥深さを、シェイクスピア研究者で大学准教授、自称「不真面目な批評家」の北村紗衣さんが紹介します。連載「文学&カルチャー英語」の第2回は、アジア系の超セレブたちを描いたコメディー映画『クレイジー・リッチ!』です。 映画『クレイジー・リッチ!』のcrazyの意味は?2018年のロマンチック・コメディー、『クレイジー・リッチ!』(Crazy Rich Asians)は、まずタイトルから文法的な解説が必要な映画です。 この作品は、中国系アメリカ人である大学教員のレイチェル・チュウ(コンスタンス・ウー)が、アメリカで出会ったシンガポール人の恋人ニック・ヤン(ヘンリー・ゴールディング)の里帰りについて行ったところ、ニックは実はシンガポール上流階級のトップに君臨する大富豪ヤン家の御
英語は、楽しい文学や映画、コメディーなどに触れながら学ぶと、習得しやすくなります。 具体的な 作品を取り上げて、英語の日常表現や奥深さを、シェイクスピア研究者で大学准教授、自称「不真面目な批評家」の北村紗衣さんが紹介します。連載「文学&カルチャー英語」の第1回は、世界中で大人気の児童文学、『パディントン』です。 ※テキスト中のリンクが表示されない場合は、オリジナルサイト< https://gotcha.alc.co.jp/entry/20191011-kitamura-literature-culture-1 >でご覧ください。 文学や映画で英語表現をゆるふわに紹介こんにちは。少し前に、この「GOTCHA!」のサイトで、 文学と英語教育についての記事 を書いたところ、興味があるという方が比較的いらっしゃったため、これから全6回で、文学や映画、コメディーなどをテーマに、英語の表現を学ぶ連載を
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