LISPというプログラミング言語がある。FORTRANに次いで古い言語だとされ,主に人工知能やエキスパート・システムの研究・開発に使われてきた。現在ではあまり開発者人口は多くないが,若い技術者が中心になってLISPに特化したコミュニティ「Shibuya.lisp」を立ち上げたり,長らく絶版だった「初めての人のためのLISP」という書籍が復刊されたりするなど,再び注目を集めつつある。 人工知能の研究が華やかなりし1980年代前後には,LISPの実行をハードウエアでサポートするコンピュータ,いわゆる「LISPマシン」(Wikipediaの記述)と呼ばれる製品カテゴリが存在した。その一つが,NTT 電気通信研究所が開発し,NTTインテリジェントテクノロジ(現在のNTTアイティ)が1987年に発売した「ELIS」というワークステーションである。世界で初めて1チップLSIのCPUで実現されたLISP