コミュニケーションで「相手の意図を汲み取る」ことが重視される社会ではどのような現象が見られるのか。 コミュニケーションのスタイル:発信負担と受信負担 情報を発信者から受信者へ伝達させる場合に、受信が成功するには情報の「形成」が必要になると考えることにする。情報の形成は発信者と受信者の双方で行われる。 発信者と受信者のどちらがより多く形成を負担するかというバランスがある。例えば「今ゆで卵を食べてるから台所にある塩取ってくれない?」と受信者に丁寧に意図を伝える場合が発信負担であり、「ん」とだけ言われて(今あの人はゆで卵を食べているから塩が必要なのかもしれない、「ん」は塩を私に取ってこいという意味かもしれない、塩はたしか台所にあったはず)と受信者が相手の意図を汲み取って塩を持ってくるような場合が受信負担となる。形成は、情報を付け足すことに限らず、不要な情報を捨てること、情報を整理すること、推論す
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