3年ほど前から省エネと称して、 冷房の設定温度を28度にするという 精神訓練が日本で流行っているらしい。 竹槍でB29を落とそうとした国民にとっては このくらいは屁の河童といったところだろう。 尊敬の意を禁じえない。 幸いにも、私はこれが始まる前にこちらに来たので こうした修行を受けずに済んでいるが、 今日のニュースによると、 25度から室温が一度上昇するごとに 作業能率は2%ほど低下するそうだ。 実際には、これは影響を過小評価しているだろう。 オフィスで行われる作業のうち大半は単純作業なので 頭脳労働ではもっと効率が落ちるだろうし、 室温が上昇する毎に作業能率の低下は加速するだろうからだ (そうでなければ、室温50度でも通常の半分の作業をこなせることになる)。 まあ、ひとまずそうした細かい点は脇において、 これを機に冷房の設定温度を28度にすることが いかに馬鹿げているか計算してみたい。