スマートグリッド(次世代電力網)への対応が加速している。大手電力会社や電機メーカーが、相次いで取り組みを強化。だが米国は世界標準へ着々、日本はスピード感で劣る。 「うちの会社も、『スマートグリッド』をやらざるを得なくなったんだな」。東京電力のある社員は、こう苦笑する。 スマートグリッド(次世代電力網)を巡る電力業界の動きが本格化している。東電は3月11日、新型の電子式電力メーターを東京都内の約9万世帯に設置し、2010年度下期から実証試験を行うと発表した。 この新型メーターは、いわゆる「スマートメーター」と呼ばれるものだ。 スマートグリッドでは、発電量が小さく不安定な設備も電力網につながる。電力の需給調整が効率的にできるようになり、既存の電力事業の仕組みを変える可能性を秘めている。 スマートメーターで、電力の使用状況に関するデータを集め、発電量や電力供給量を個別に制御する。IT(情報技術)