国内観測史上で最大の潮位変化があった伊勢湾台風(1959年)と同規模の台風が最悪の経路で伊勢湾を襲うと、中部国際空港が水没することが、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)と岐阜大の共同研究で分かった。同様に東京湾に来襲すると、過去最悪の高潮が発生する可能性があるという。コンピューターシミュレーションを使い、台風や潮位、波浪のデータを一体的に計算した。 伊勢湾では台風の進路など50通りを想定。最悪のパターンは経路が伊勢湾台風と比べて東寄りに約30キロずれた場合に起こる。高潮の潮位変化(平常時の干満を除く)は名古屋港で5.6メートルに達し、伊勢湾台風の潮位の最大変化3.5メートルを約2メートルも上回った。 台風は海面から熱エネルギーを受け取って進む。最悪のコースでは、上陸後でもエネルギーが衰えずに勢力を保ったまま伊勢湾に近づく。この想定では中部国際空港の旅客施設や滑走路は海面下70センチに没す