Jポップで哲学することから見える、若者の問い――『Jポップで考える哲学 自分を問い直すための15曲』 戸谷洋志 倫理学 文化 #Jポップ#Jポップで考える哲学 講談社文庫から『Jポップで考える哲学 自分を問い直すための15曲』を上梓した。この本は、Jポップを題材にした哲学書である。しかし、なぜJポップを題材にするのだろうか。また、この本はどの点において他の哲学の入門書から一線を画すのだろうか。ここでは、そうしたことについて述べながらも、現代社会のなかで哲学することについて、特に若者が哲学することの意味について、筆者なりの考えを述べたい。(戸谷洋志) 巷では「カジュアル哲学ブーム」という声をよく聴く。硬派な哲学書ではなく平易な入門書、あるいは物語仕立ての哲学読本のようなものが好まれている。おそらく、『Jポップで考える哲学』もその一つに数え入れられるのだろう。この本では、2人の登場人物、「先生
