中井洽元拉致問題相(衆院予算委員長)が中国・長春で北朝鮮高官と接触したとされる問題が、与野党で波紋を広げている。 中井氏は依然、北朝鮮側との接触を否定しているが、野党側は退陣を表明した菅政権が対北朝鮮外交で実績を残そうと、北朝鮮側と何らかの取引に動き出した可能性もあると見て批判を強めている。 「古里を見て泣いて帰ってきただけだ」 中井氏は27日、国会内で開かれた、自ら本部長を務める党拉致問題対策本部役員会でこう述べ、21~23日の中国・長春訪問では北朝鮮側と接触していないと改めて否定した。長春出身の中井氏は、訪中が郷里への観光旅行だったとの説明を繰り返している。 ただ、野党側は、政府の拉致問題対策本部職員が中井氏に同行していたことが明らかになったことで、中井氏の説明は不自然との見方を強めている。