現代量子論の確立 1936年のノーベル物理学賞受賞者は誰だろう?オーストリアのヴィクトール・フランツ・ヘスと米国のカール・デイヴィッド・アンダーソンである。1936年というと、現代から見るとずいぶん昔のように感じられる。第二次世界大戦前、ナチスが台頭し、不景気で暗い時代のような印象を受けるが、調べてみると、現代に通じる新しい研究が受賞しているのに驚かされた。 ヘスは、気球に乗り1912年「宇宙線を発見」。宇宙線は宇宙から飛来する放射線である。最近の「ヒッグス粒子」発見も、この宇宙線の発見なくしてはありえなかった。宇宙線を地球上でつくり出す、加速器が発明されて「ヒッグス粒子」も発見される。ちょうど今から100年前のこの発見によって、人類は“神の粒子”まで発見してしまう。 アンダーソンは、1932年この宇宙線の中から、それまで考えられることのなかった、マイナスのエネルギーを持つ反粒子「陽電子」
