街から本屋が消えていっている。この20年で全国の書店の半分が姿を消したとされる。スマートフォンが手放せなくなって読書離れが進み、売り上げが減った街の本屋さんを巨大なネット書店が圧迫する。私たちは本屋とともに何を失いつつあるのか。それは、なくしてしまっていいものか? <書店数の減少> 全国の書店数は2003年には約2万1千あったが、23年には約1万1千に(出版科学研究所調べ)。書店が1軒もない市町村は27.9%に達している(出版文化産業振興財団調べ)。経済産業省の書店振興プロジェクトチームは10月に公開した文書「書店活性化のための課題(案)」で、書店のない町で育つ子どもたちが「新たな本に遭遇することなく、それ故に、多様な思考に触れることがなく、自らの経験とすることがなく、成長していくこと」に強い懸念を示した。