ちょっとはみ出た、つづき 入院が決まった直後に、入院時に必要なものを買い込みレンタカーで母の元に向かった。 徘徊が多く、連絡手段も無い為、朝、荷物だらけの新居に迎えに行っても空振りになってしまう可能性があったからだ。 荷物だらけのアパートに一晩泊まって見張るつもり位でいた。 破たんした呪いの言葉を一晩聞き続ける程度だったら何とかなるだろうと踏んで寝袋を持って家を出た。 アパートにいた母を、最後の晩餐さならが母を食事に連れ出し、禊を済ませるが如く、深夜営業の温泉に連れて行った。 これまで母の病気が進行してから、弟を含め3人で食事をすることは何度かあったが、 私が成人してから母と二人で食事をしたり、温泉に行ったりしたのは初めての事だったと思う。 しかし、あのアパートで母と二人きりで一晩を過ごすのはやはり心理的に無理だった。 そこで、仕事で徹夜を強いられる彼女がいる自宅に、彼女に無理を言って連れ
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