◆はじめに この記事はMADMAX2023に提出した「世界限界の向日葵と永劫回帰の櫻」について、解説を加える記事です。 本作は芸術を主題としたサクラノ刻を題材にしています。 そのため、通常のMAD以上に芸術的な性質を持たせています。 簡単に言えば、美術史、哲学、詩、音楽等の知識を持つ批評家や作り手が解説を加えることで初めて価値を持つMADと言えます。 これは芸術全般の特徴で、フォービスムが何かを理解せずにマティスを見ても良さが分からない、オランピアの元ネタを理解しなければマネの革新性に気付けない、と同様に視聴者に一定の知識を要求するMADです。 写真が登場するまでの絵画は遠近法、陰影のつけ方等の写実性が一定の評価基準になりえたので、絵の「上手さ」が評価されていました。しかし、その後、ポスト印象派、フォービスム、キュビスム、ドイツ表現主義、抽象表現主義、シュールレアリスム、ポップアートと写実