洋菓子メーカー「ゴンチャロフ製菓」(本社・神戸市灘区)の男性社員(当時20)が2016年に自殺したことをめぐり、同社が上司のパワーハラスメントや長時間労働との因果関係を認め、遺族側と和解した。和解は6月11日付。双方の代理人弁護士が明らかにした。 亡くなったのは、前田颯人(はやと)さん。2日に会見を開いた母親の和美さん(47)と遺族側代理人の八木和也弁護士によると、上司の監督責任を怠るなどの安全配慮義務違反をゴンチャロフ製菓側が認め、損害賠償金を支払うという内容。金額は公表していない。 前田さんは高校卒業後の14年4月に正社員として入社し、東灘区の工場でゼリーやチョコレートの製造を担当。「神戸の人だったら誰でも知っている会社」。そう誇りに思い、喜んで仕事に行っていたという。 だが翌15年10月ごろ、不良品をめぐり、上司から「お前、牛のエサ作っとんか」などと他の従業員がいる前で繰り返し怒鳴ら