「都市環境微生物」は、街中や公共交通機関といった場所にいる微生物を研究することで都市や環境の特徴を明らかにしようとする研究分野だ。 世界的にも新しいこの未知の領域に精力的に取り組んでいるのが、慶應義塾大学環境情報学部4年生の伊藤光平。彼が代表を務める「GoSWAB」プロジェクトは、都市の微生物を調べることで、知られざる「人と微生物の関係」を明らかにしようとしている。 ──微生物には病原菌から体内常在菌まで、いろいろな種類がありますが、伊藤さんは微生物に対してどのようなイメージをもっていますか? 普段はあまり意識していませんが、人間って、微生物と共生することによって健康を維持できたり、生き続けられていたりするんですよね。あるいは「脳腸相関」といって、腸内にいる微生物のはたらきによって、抑うつや不安などの情動変化を引き起こすことがわかっています。 微生物って、目には見えないのに、間違いなく人間
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