のん(能年玲奈)さんが武満徹の「系図」の語り手をつとめる録音の発売が、この10月に決まったとネットで話題になっている。 初演以来、20年以上にわたってこの曲の価値を訴えてきた自分としては、のんさんの影響力によって曲の知名度が上がり、聴く人が増えることはとても喜ばしいと思う。 その一方で、俺があれだけ言っても聴かなかったくせに、なんだいまさら騒ぎやがってお前らは、と悪態をつきたくなる気分がまったくない、といっては嘘になる。 そこで、録音の発売まで少し時間があるようなので、予習情報を整理して、みなさんの期待を高める文章を書き散らしておきたい。 ただ、期待が高まり過ぎてしまって、実際に聞いてみたら「あれ? こんな感じだったの?」ということもありうるので、もしかすると、それを防ぐための情報の方が重要なのかもしれない。 初演の遠野凪子の苦労に思いを馳せる「系図」は、谷川俊太郎の「はだか」という詩を女