夏場に起きやすいHDD障害 HDDサルベージサービス「データ復旧.com」を運営する日本データテクノロジーによれば、HDD復旧の依頼件数は、夏になると平時の約1.5倍と、目に見えて増加するという。休日明けに出社したら、これまで問題なく使えていたはずのPCが急に立ち上がらなくなった、という経験をしたことがある人は多いだろう。 その要因の1つが、(ご想像の通り)気温上昇による「熱」の問題だ。データ復旧事業部で物理障害を担当する岩谷謙太氏は、「夏場に起きるHDDの物理障害で多いのはPCB(基板)上のチップ、ここが発熱で劣化するのが原因だと考えられています」と説明する。 「元々HDDは熱に強くない構造をしています。最近のHDDはヘッドのチップ内部にある微少なヒーターの温度変化によって、ヘッドをディスクから数ナノの位置に下げ、データを読み取っているのですが、温度が高すぎると当然この動作は不安定になる