灼熱の地底で数ヶ月の過酷な日々を送り、平均年収の4倍の大金を手にして地上に戻る“ゴールド・パイレーツ”たち 南アフリカ共和国フリーステート州。金産出量世界一を誇る同国の金鉱業の中枢を担うウェルコム市一帯の地底に潜り、何ヶ月も太陽を見ずに暗躍しているならず者たちがいる。人呼んでゴールド・パイレーツ。地熱と有毒ガスをものともせず、廃坑の中で寝起きしながら金鉱石を探り当て、非合法流通ルートに流す“地底の海賊”たちである。 「ひとたび地底に潜ったら、誰も助けてくれやしない。まるで監獄だよ(監獄で強制労働させられているような過酷な日々が続く)。水なんてどこにもない。食料も簡単には手に入らない。岩の上で眠らねばならない。おそろしく熱い岩の上で、ね」 サミュエルは最長で4ヶ月にわたり、一度も地上に出ずに地下で寝泊りしたことがある。そのときの稼ぎは、8万ランド(日本円で約135万円)ほどに達した。そこから