未曽有の地震の影響で、首都圏の機能不全が現実になり始めた。 東京電力は14日午前、戦後初の計画停電に向けた準備に入り、日本の人口の4割近くを占める管内の1都8県では、朝から鉄道の運休や病院の開院の遅れが続出。かろうじて走る電車にはドアが閉まらないほどの人が押し寄せ、地震で延期していた卒業式の中止に踏み切った高校も。「東京電力は備えが甘すぎる」「ニュースでは停電回避と言っていたのに、動いていない電車ばかり」。通勤客らからは悲鳴と憤りの声が相次いだ。 「ホームが大変混み合っており、ただいまから入場規制させていただきます」 東京都のJR吉祥寺駅では午前6時35分、駅員がこう言いながら自動改札機の前にロープを張ると、改札前に人が殺到した。「電車はいつ来るんだ」「この駅は動いているはずじゃないの?」。詰め寄る乗客たちに、駅員は「こちらもわからないんです」などと繰り返した。人だかりはどんどん大きくなり