みずほ銀行では、2021年2月のシステム障害のあと、3月にも3件の障害が発生した。第三者委員会は「問題を抑止・解決するという姿勢が弱い」とみずほの風土を痛烈に批判した。失敗を恐れる体質、心理的安全性が低い組織になぜなってしまったのか。『みずほ、迷走の20年』より抜粋のうえ紹介する。 問題を矮小(わいしょう)化する思考回路 金融当局が指摘した「みずほの闇」は、行政検査で少しずつ浮かび上がりつつあった。なぜ、みずほばかりがシステム障害を起こすのか。より正しく言えば、システム障害が起きても短時間で収束できれば問題は大きくならない。みずほの最大の問題は、軽度なトラブルの原因を根本から解析せず、放置したままさらに大きなトラブルを起こすことにある。 その理由の一つは、隠蔽体質ともいえる不祥事を極めて矮小化して扱う思考回路だ。みずほは21年2月28日の大規模ATM障害の前にも、実は18年に同じようなトラ