家庭菜園ブームにも、東京電力福島第一原発事故が暗い影を落とし始めている。身近に使われている園芸用腐葉土から高濃度セシウムが検出され、一部商品の回収、製造や利用の自粛といった事態になっているためだ。折しも、今年は節電のための「緑のカーテン」づくりが流行、例年以上に腐葉土や堆肥は全国に流通している。愛好者の不安は広がり、市場拡大してきた園芸業界にも打撃だ。 (久原穏、北条香子) 「今ごろ自粛と言われても、すでに使った腐葉土がどこで作られたのかわからない…」 「せっかくゴーヤーをたくさん育てたが、不安で食べられない」 インターネット上でガーデニング愛好家らが意見を交わすサイト。腐葉土の放射能汚染の話題でもちきりだ。 腐葉土は愛好家なら家庭に常備しているような身近な園芸用品。「緑のカーテン」のゴーヤーづくりでも、実付きをよくする目的で使用を勧めるケースも多い。 しかし、腐葉土は原料の落ち葉を屋外に