夏になると書店にはたくさんのおばけの絵本が並びます。子どもは本当におばけが大好きなんです。私がおばけの絵本をつくるようになったのも、息子がおばけに夢中だったからです。 息子が小さい頃、水木しげる先生の『ゲゲゲの鬼太郎』がテレビで放映されていました。番組が始まってしばらくすると、「ママ、ここにいてよ」と呼ばれます。「そんなに怖いんならテレビ見なきゃいいのに」って言っても、「ううん、見たいの」と。怖いけど、目が離せないんですね。私につかまりながらテレビを見ていました。 だから私も、息子が喜んでくれるおばけを描きたかった。「ああ、こうやると子どもにおばけとわかるんだ」など、形を考えたりね。それに、あんまり怖すぎちゃいけませんからね。読んだ後に子どもがうなされるようではダメなんです。だから私は家族が死んでおばけになる、というお話は書きません。 おばけはね、独立した生き物なんですよ。幽霊とは違うの。