大手メディアが一斉に東京都民銀行(以下、都民銀行)と八千代銀行の経営統合を報じた。 しかし、この両者の経営統合話は1カ月以上前から金融関係者の間では話題となっており、一部情報誌が報じていた。 都民銀行は東京を地盤とする地方銀行だが、金融激戦区の東京にあって長い間苦戦を強いられている。かつては、日本興業銀行系の地銀として同行と友好な関係を築いていたが、同行が富士銀行、第一勧業銀行と経営統合し、みずほグループとなると、その関係は希薄になった。同じ関東に経営地盤を置く地銀中位行の千葉興業銀行、武蔵野銀行などと幾度となく経営統合の思惑が浮上した。 一方の八千代銀行は東京を地盤とする第二地銀。信組として設立され、信金を経て、1991年4月に普通銀行に転換し、八千代銀行となった。 都民銀行の経営状態は、「かなり厳しい状況にある。退職引当準備金があと2〜3年で底をつく」(地銀関係者)といわれており、信金