国内ビール市場が縮小を続けるなかで、急成長を続けるビールメーカーがある。「よなよなエール」「インドの青鬼」などのクラフトビール*で知られる「株式会社ヤッホーブルーイング」だ。現在まで11年連続の増収増益だという。独特の製品とマーケティング手法、そして熱狂的なファン層を持つ特異な会社だが、経営不振のどん底からよみがえって急成長した企業としても知られる。井手直行社長に話を聞いた。 地ビールブームとともに ――ヤッホーブルーイングは、1996年に星野リゾートの100%出資で長野県軽井沢町に設立されました。もともと星野リゾートの星野佳路代表のイニシアチブで作られた会社だと聞いてますが、会社設立の経緯を教えてください。 星野がアメリカに留学しているときに、ちょうどクラフトビールが盛り上がっていたのです。エール**という香りとかコクが特徴的なビールだったのです。細川政権(93~94年)のとき、ビールの
コンビニエンスストア業界の再編が加速化している。業界トップのセブン-イレブン・ジャパンを追う業界3位のファミリーマートと4位のユニーグループ・ホールディングス(サークルKサンクス)が今月1日に経営統合。これにより業界2位の座を奪われたローソンは、中堅コンビニとの提携などによって経営基盤の強化を図っている。セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの3社の戦いの様相を呈するコンビニ業界は今後どうなるのか。業界動向に詳しいSMBCフレンド調査センター上席主任研究員の田中俊氏が占う。 提携受け「ダブルブランド店舗」オープン 「いらっしゃいませ」。店に入ると、ブルーを基調としたユニホーム姿の女性店員が笑顔で迎えてくれた。ユニホームの袖には「LAWSON」の文字が記されている。埼玉県内にあるコンビニエンスストア「ローソン・スリーエフ」。ローソンと、中堅コンビニチェーン・スリーエフによる「ダブルブラ
アニメ映画「君の名は。」が幅広い世代で評価されている。ネットでは「新海誠作品の最高傑作」「日本のアニメ映画を背負う“ポスト宮崎駿”」などの称賛がやまない。観客のハートをつかんで離さないこの作品の秘密はどこにあるのか? テレビドラマ「月9」やJ-POP音楽など、若者のポップカルチャー研究で知られる早稲田大学講師、柿谷浩一さんに、「没入感」をキーワードに解説してもらった。 劇場を飛び越えた「文化的事件」 新海誠監督の長編アニメ「君の名は。」が大ヒットを飛ばしている。人気ぶりは劇場にとどまらない。レンタルビデオショップでは過去の新海作品の貸し出しが止まらず、書店では監督書き下ろしの原作小説が売り切れるほどだ。もはや社会現象のレベルを超え、文化的な「事件」である。 インターネット上には作品のレビューがあふれ、新聞・雑誌は様々な角度から作品解説を試みている。圧倒的な映像美、巧みなストーリー運び、作品
セブン―イレブンのセブンカフェをはじめとするコンビニコーヒーが人気を集めている。ビジネス街では、出勤前にコーヒー目当てのサラリーマンがレジの前で行列をつくる光景はすっかりおなじみとなった。しゃれたカフェや落ち着いた喫茶店がしのぎを削る中、なぜコンビニコーヒーは消費者の支持を得て売り上げを伸ばしているのか。マーケティング戦略アドバイザーの永井孝尚氏が、セブンのコーヒー戦略を解説する。 「コーヒー問題」を解決 4年前。当時会社員だった私は満員電車を避けて、毎朝6時半に勤務先のオフィスに到着するのが日課だった。 この時の悩みが、「コーヒー問題」。私は毎朝コーヒーを飲んで気合を入れるのだが、朝6時半に飲めるコーヒーは、自販機のインスタントコーヒーだけ。この時間帯においしいコーヒーを出してくれるカフェがなかったのである。 2013年初めになって、友人たちがFacebookやTwitterで「セブンの
7月29日に公開された映画『シン・ゴジラ』(庵野秀明総監督)がこのほど興行収入53億円を突破し、大ヒットを続けている。その理由について、さまざまな見方が示されているが、なぜ社会現象といえる程にまで関心が高まっているのだろうか。アニメ評論家の藤津亮太さんが、マニアックな視点で探った。 人は“怪獣”に何を見いだすのか 『シン・ゴジラ』が大ヒットしている。現時点で興行収入53億円を超えて、邦画実写で今年トップの成績となった。この映画の特徴は、作品を見た人が「何かを語りたくなる」ところだ。ネットにはプロの文筆業も含め、さまざまな考察が披露されている。こうした“『シン・ゴジラ』語り”が、口コミとなってさらに映画への関心が高まっている。それにしても、どうして『シン・ゴジラ』を見た人はこの映画について語りたくなるのか。それは、この映画が「怪獣映画」だからだ。 たとえば、TVアニメ『コンクリート・レボルテ
異色のハッキング競技会 今月4日、米ラスベガスで異色のハッキング競技会が開かれた。人間は介在せず、戦うのはコンピューターだけだ。主催したのは米国防総省の研究部門「DARPA」で、56億円の巨費を投じて3年前から進めてきた。背景には、もはや人間だけでは手に負えないサイバー防御の実情がある。 軍用技術に最先端の科学技術を取り入れることが目的だが、成果は民間にも開放している。前身のARPA時代にはインターネットの原型であるARPANETを開発した。 CGC(サイバー・グランド・チャレンジ)と名付けられた競技会の主役は、自律型のコンピュータープログラムだ。人間がやるハッキング競技(CTF=キャプチャー・ザ・フラッグ)と同じように、与えられたプログラムを解析してセキュリティーの穴(脆弱(ぜいじゃく)性)を見つけ、修正し、さらには敵チームの脆弱性を突いて「フラッグ」に当たるファイルを奪う。競技時間は8
日本経済が右肩上がりの高度成長時代を知る日本人がだんだん少なくなってきた。しかし、企業単位では、売り上げや利益を継続的に伸ばしたり、新市場を開拓したりと、さまざまな意味で「伸びる会社」は当然ながら今もある。そんな会社の戦略や現状、直面している課題やその克服法などを不定期でとりあげる。 絵に描いたような右肩上がり 野菜をカットして袋に詰めてスーパーに卸す――。ただ、これだけで、創業以来17年間、一貫して増収を続ける企業がある。その会社は、株式会社サラダクラブ。スーパーでパッケージサラダを購入したことのある人なら、名前を覚えているかもしれない。 創業初年(1999年11月期)に6100万円だった売上高は、直近の2015年11月期では247億円に達している。右のグラフは、サラダクラブの売上高推移だが、絵に描いたような右肩上がりだ。野菜をカットして袋詰めして売るだけで、なぜこんなことが可能なのだろ
戦前、戦中の研究実態 刺激的な本である。本書には、評者のような団塊の世代の者が学生のころ、東洋史や民族学、宗教学や文化人類学の 碩学 ( せきがく ) としてその名を記憶した研究者が次々と登場し、日本が帝国を名乗った時代、彼らが日本の植民地やその周辺地域で実施した調査の実態が明らかにされてゆく。 日清戦争後、清から台湾を割譲させた日本は、その後、朝鮮を併合し、南洋群島の植民統治に乗り出してゆく。1930年代には満洲に 傀儡 ( かいらい ) 国家を樹立させた。そして、各地域の古い慣わしを調査して、植民地の法律や土地制度を「整備」し、効率的な支配を模索した。台北とソウルに設立された帝国大学はそうした旧慣調査を担うだけでなく、東南アジア、満洲、蒙古、 新疆 ( しんきょう ) などで民族調査を進めてゆく。戦時中には、大東亜共栄圏建設という国策にそって設置された民族研究所が現地調査を推進し、日本
「パナマ文書」が世間をにぎわせているが、その裏でもう一つの「パナマ」問題が進行している。それは「新パナマ病」。バナナに壊滅的な打撃を与えるこの病気が、アジアなどで広がっているという。商業用に生産されるバナナは、この病気で一度壊滅している。バナナが食卓から消えてしまう日は来るのだろうか。バナナに詳しい北海学園大学の小松かおり教授に解説してもらった。 バナナをむしばむ「新パナマ病」 最近、「新パナマ病」と呼ばれる病気によって、バナナが絶滅の危機に瀕(ひん)しているというニュースが流れている。最も安く確実に手に入る果物であるバナナが本当に消えるのか?という不安を持つ人も多いかもしれない。その答えは、「ある種のバナナは、つまり、わたしたちが今食べている『キャベンディッシュ』という品種のバナナは、激減する可能性がある」というものだ。 パナマ病とは、「Fusarium oxysporum」という真菌(
農作物の栽培が天候に左右されないため、近年、次世代農業の代名詞のように呼ばれている植物工場。しかし、利益を生み出しにくいビジネスであることは、それほど伝えられていない。数多くの企業が参入する分野なのになぜ撤退・倒産が多いのか。どうすれば、深刻な人手不足や農業従事者の高齢化など多くの難問を抱える日本の農業の救世主になれるのか。ハイテク導入で世界第2位の農産物輸出国となったオランダの事情など次世代農業に詳しいフリージャーナリストの石堂徹生さんが解説する。 2つの象徴的な倒産 1980年代後半の第1次、90年代後半の第2次を経て、農水・経産両省連携の国家プロジェクトとして2009年に始まった植物工場の第3次ブームが今なお続いている。しかし、植物工場の多くは(1)コストが高い(2)栽培法・経営ノウハウが未熟(3)露地野菜との差別化ができない――の三重苦に喘(あえ)ぎ、赤字経営に陥って撤退・倒産する
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